「ロジハラ」と聞いて、自分でもやり勝ちなのかも知れないと、ハッとしました
最近「〇〇ハラ」が多いですよね。パワハラ、セクハラだけでなく、どんどん増えています。生成AIにリストアップを頼むと次が出てきました。
・パワーハラスメント(パワハラ)
・セクシャルハラスメント(セクハラ)
・モラルハラスメント(モラハラ)
・カスタマーハラスメント(カスハラ)
・アカデミックハラスメント(アカハラ)
・エイジハラスメント(エイハラ)
・アルコールハラスメント(アルハラ)
・マタニティハラスメント(マタハラ)
・ジェンダーハラスメント
・LGBTQ+ハラスメント
・ソーシャルメディアハラスメント
並べてみると、基本的には優位性を持っている側が弱い側に嫌がらせをする図式になっています。人の、いわゆるマウントを取りたいという動機がもとになっているのでしょうか。権力の誇示、自尊心の元、不満の発散、社会規範や文化の強要、などなど原因は沢山ありそうです。基本的には相手の立場を認めずに追い込む行為をするのが「〇〇ハラ」なのでしょう。
そのようなことを考えていたときに、先日池上さんの番組で「ロジハラ」という文字に気づきました。ロジハラは上記リスト中にはなかったのですが、これも生成AIに聞いてみると:「ロジハラ」とは、「ロジカル・ハラスメント(Logical Harassment)」の略で、過度に論理的な言い方や態度を用いて相手を追い詰めたり、不快にさせたりする行為を指します。この言葉は、日本で比較的新しく使われ始めたものであり、職場や日常生活で見られる状況を説明するために用いられます。
「ロジハラ」と聞いて、自分でもやり勝ちなのかも知れないと、ハッとしました。ロジック(論理)はとても便利なものです。誰でも同じ手順で同じことが再現できる科学や工業に似ています。ロジックは人の曖昧な考え方を整理して、共有を容易にし、議論のための土台を作ることに向いています。経営会議のような場でもロジックが利用されることが多いです。科学的経営というと聞こえはいいですし。論理的に合意しやすいから結論を導きやすいです。
一方、人や組織の思考は論理だけではできあがっていません。直感的な好意や嫌悪感、喜びや悲しみや怒り、愛しさや可愛さを感じたり、苦手意識を持ったり、いわゆる感情があります。「理屈ではわかっていても無理...」ということは多いですよね。感情は論理で整理をつけたいけどつかない部分なのです。論理的に導いた結論がロジハラになる現象が発生します。
また、いわゆる「やる気」や「やりがい」などもそうですよね。人の動機や成長も理屈だけではなく、ドロドロとした感情から成り立っていることも多いです。先生が好きとか、誰かに認めてもらいたいとか、有名になりたいからとか、人の役にたちたいからとか。理屈では分からない気持ちから、行動を変えて物事を成し遂げることも多いです。
「やる気」をなくしている人に、ロジックでやるべき論を説得しても、動いてもらえませんよね。しっかり相手と向き合って対話をすることが先決なのです。そう。対話をしているか。この部分に多くの時間や労力を割いているのが人間社会です。飲むことが好きな人は飲む場、話すことが苦手な人でもOne on Oneの面接で向き合うとか、膨大なエネルギーと労力がその部分には必要なのです。ロジックで合理的だと決めることはほんの一歩目なのでしょう。
ロジックだけでの結論で、「会社でそう決まった」と結論を強要しがちなのが組織です。このモメンタムは要注意だと思います。「ロジハラ」していませんか?