オルタナティブ・ブログ > インフラコモンズ今泉の多方面ブログ >

株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

日経新聞様、ドラッカー大先生の十八番を検討してみてください

»

日経新聞を読んでいて最近感じることですが、いまの日本経済の状況について、個別具体的なネタを拾って、「この分野はこんな風になっているよ」「他の先進国と比較するとこんな位置づけにあるよ」といった具合に報道することは、もうあまり意味がないんじゃないかと思う。
50年といったタイムスパンで見ると、このまま無策ならば、少子高齢化が経済規模を縮小させていくことは確実なので、ミクロの動きに着目してもマクロの指標を比較しても、そこに出てくる方向感は、もはや知れています。そうした事項はすでに既知のことだと言ってよい。どんな事実が表れるかはもうわかっています。そうしたわかりきった事柄を微に入り細にわたって論じてみても、読まされる方は「あぁまたか」と思うだけです。

ここにおいて有用な視点というものをもっと考えてみるべきだと思う。それも単に利発に考えるのではなくて、ハラから納得できる思考をすべきだと思う。
日本全体の経済にとってもっとも影響力を与えているメディアとして、日本の未来をより好日的なものにするには、どういう”戦略”がいいのかと。

例えば、日本の企業が関与できる将来の市場の成長余地をプロアクティブに探って、そこが開拓された暁にはどのような経済インパクトを持つのかということを伝えていくとか、見捨てられた市場、けれども成長余地がまだまだある市場について可能性や個別の動きを論じるとかいった、「将来の成長の水先案内人」になるという方向設定が考えられます。(今思いついただけなので、これが戦略に値するかどうかは別として)

この種のアプローチの原型は、Mckinsey QuarterlyとかMorgan Stanleyが公開しているレポートに見られます。リサーチ部門がある仮説のもとに科学的なリサーチを行い、そこから得られた結果によって未来の市場のポテンシャルを論じるという行き方です。
日本の場合だと医療、税金の分配システム、教育、日本企業の意思決定メカニズム、預貯金偏重の個人金融資産といった分野で、この種のアプローチを行うと非常に大きな経済ポテンシャルを解き明かせると思う。それから欲しいのが、日本企業の参入余地がある海外の市場の情報。

現在ある事実を見つめても未来が出てこないので、仮説を設定して、好ましい未来というものを思い描き、具体的な数字のインパクトとして見せて、ではそこに至るにはどうすべきかを細かく考える、というアプローチですね。
医療分野では、根幹にある○○○○○○○○を××××××××によって変革すると、年間3兆円の医療費削減効果が生まれる。そこに至るには******法を改正し、業界慣行についても△△△△△△△のように改めていく必要がある…。といった感じでしょうか。
これって政府系の審議会のような路線のように見えますが、領域の設定次第で日経色を打ち出せると思います。

未来を見て、方向感を示して、よき影響力を与えて産業人を鼓舞するというのは、ドラッカー大先生の十八番ですが、そうしたスタイルは依然として有用だと思います。

毎朝、うぉーやるぞー、と思わせるような方向感というか、路線設定というか。

Comment(0)