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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

読後メモ:「年収10倍アップ勉強法」

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「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」
勝間和代著/ディスカバー

私も読んでみました。

「勉強」と「年収アップ」と「幸せ」の因果関係を何の疑いもなくストレートに結び付けて見せてくれる、後味のよい本です。

冒頭に以下の1節があります。

-Quote-
自分が幸せになるために勉強しよう

「はじめに」で書いたとおり、勉強はまず何のためにするのかというと、まさしく幸せになるためです。勉強をしたほうが、年収アップにつながる確率が上がり、お金があったほうが、本人も精神的に落ち着きますし、家庭内の不和も少なくなります。
-Unquote-

これは筆者の非常に素朴な信仰であるし、何のてらいもレトリックもない、そのまま受け止めてしかるべき言葉。この本が説得力を持っているのは、筆者がこの信念に基づいて、実際に実行して、目覚しい成果を収めているから。「自分ができたのだから、読者の方もやればできると信じている。絶対に!」という迫力があります。

勉強をする→年収が上がる→幸せになる→自分の子孫にもその幸せを分けて与えることができる、という幸せの再生産をはっきりと書いていることがすごいです。

同種のことは「下層社会」にも書かれていましたが、あちらの方では、何か感情的なくぐもりが感じられました。言ってはいけないことを、あえてはっきりと言うことに伴う、「あ、なんかこれはっきりと書いちゃうけど、書いちゃっていいのかなぁ。でも書くもんね」という逡巡のようなものが若干認められました。
けれども勝間女史の場合は、そうしたところにまったくひるまず、ストレートにポンと書いているのがすごいと思います。

-Quote-
 勉強の有無により、階級が決定され、それが再生産されていく仕組みを、皮膚感覚でわかっている人とわかっていない人との間では、どうしても勉強に対する価値観や優先順位が違うのではないかと思います。
 一度でも、勉強すれば年収が上がる、というのを実感した人は、今度はムキになって勉強するようになります。そこでまた差が開いてきてしまうので、階級の再生産が、年をとるほど、ますます強固になります。
 結局、勉強をするのは、この格差社会を生き延びるためと割り切ったほうがいいと思います。
-Unquote-

ここまではっきりとおっしゃっている。すごいのです。

個人的には、世界がフラット化しているなかで、個人に求められるのは、自分の知識や技量や職能を伸ばすことだと考えています。フラット化=絶え間ない差別化が望まれる状況、ですから、個人は勝間女史の言う勉強か、それに準じる訓練なり鍛錬なり自分の個性を伸ばす修練なりを積んだほうがいいわけです。

ただ、「幸せ」というものが、そういう方法によってしか得られないと考えるのは、おそらく危険です。それ以外の多様な方法による「幸せ」の追求は認められてよいし、実際、そういうことで得られた「幸せ」の例は世界にごまんとあると思う。
「幸せ」は可処分所得の多寡で決まるとは限らないし、職業的な成功によってのみ「幸せ」が得られるというものでもない。

そのへんをしっかりと押さえてこの本を読み、よいアドバイスを実行するなら、血になり肉になるんでしょうね。現実的な本だし、この種のノウハウを遠ざけるのはあまり賢くないかも知れない。成功者に学ぶ意義は依然として大きいです。

ぜんぜん関係ないですけど、村上春樹の勤勉さを思い出してしまった…。

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