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国内データセンターキャパシティ予測、慎重な投資判断も必要に

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IDC Japan株式会社は2024年2月15日、「国内に設置される事業者データセンター(DC)のキャパシティ予測」を公表しました。

2023年末時点で2,021メガVAだったこの数値は、2028年末には3,470.9メガVAに増加する見込みです。これは年間平均成長率で11.4%に相当し、クラウドサービスと生成AIの利用拡大が主な成長要因とされています。

近年、クラウドサービスの需要が加速度的に増加していることから、関東および関西地域ではハイパースケールデータセンターの建設ラッシュが見られます。これらの施設は、大規模なITキャパシティを持ち、主にクラウド事業者が利用することを目的としています。この急速な需要増に伴い、市場には新たなプロバイダーが続々と参入しています。

また、生成AI技術への関心の高まりにより、AIサーバーの導入が進んでいます。これらのサーバーは一般的なものよりも高い電力を消費するため、データセンターには大きな電力キャパシティが求められます。ただし、現時点ではAIサーバーの利用による電力不足には至らないと予測されていますが、DCの増加要因となることは間違いないとしています。

DC建設への投資は急速に増加しており、特にハイパースケールデータセンターの建設は、IT投資を超える不動産投資の性質を帯びています。これにより市場競争は一層の激化が予想され、供給過剰のリスクも高まっています。

このような状況を受け、IDC Japanは最新の予測で以前の数値から若干の引き下げを行いました。Software & Services リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、ハイパースケールデータセンター建設に際して慎重な投資判断が求められると指摘しています。

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国内の事業者データセンター電力キャパシティ予測(ITロード): 2022年~2028年
出典:IDC Japan 国内に設置される事業者データセンター(DC)のキャパシティ予測 2027.2

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