「広島AIプロセス G7デジタル・技術閣僚声明」及び「DFFT G7デジタル・技術閣僚声明」
2023年12月1日、総務省は、デジタル庁、経済産業省と共同で、オンラインでの「G7デジタル・技術大臣会合」を開催しました。
同会合では、G7構成国・地域のほか、関係国際機関が参加し、広島AIプロセス及びDFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)について議論を行いました。
その成果文書として、「広島AIプロセス G7デジタル・技術閣僚声明」及び「DFFT G7デジタル・技術閣僚声明」が採択されました。
本閣僚声明の主なポイントは以下の通りです。
(1) 以下の4要素から構成される「広島AIプロセス包括的政策枠組み」の策定
(1)生成AIに関するG7の理解に向けたOECDレポート
(2)全てのAI関係者向け及び高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際指針
(3)高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範
(4)プロジェクト・ベースの協力
(2) 広島AIプロセスを更に前進させるための作業計画の策定
広島 AI プロセス包括的政策枠組み
包括的政策枠組みは、(1)生成 AI に関する G7 の共通理解に向けた OECD レポート(以下「OECD レポート」という。)、(2)国際指針、(3)国際行動規
範、(4)AI に関するプロジェクトベースの協力を含む包括的な要素を提示するものである。我々は、これらの要素が補完的なものであり、G7 を通じて、また、それぞれの国において、将来の潜在的な AI に関する取組の重要な基礎となるものと認識する。
我々は、国際指針及び国際行動規範の履行を継続的に促進し、また、それらが目的に適合しこの急速に進化する技術に対応し続けることを確保するため、継続中の包摂的なマルチステークホルダー協議を含めて、必要に応じてそれらを見直し更新し続ける。国際指針と国際行動規範は、相互に補完的であり、密接に関連している。
我々は、OECD レポートが、国際指針及び国際行動規範に関する議論のインプットとして重要な役割を果たしたことを認識する。我々は、協議に参加した世界中の多くのステークホルダー関係者に感謝するとともに、G7 データ保護・プライバシー機関ラウンドテーブル会合の生成 AI に関する声明を歓迎する。
広島 AI プロセスを前進させるための作業計画
我々は、来年のイタリアの G7 議長国の下、AI に関する取組を以下の内容に沿って継続する予定である。
① 国際指針及び国際行動規範への支持を広げるために、国際フォーラム等での機会を活用して、パートナー政府へのアウトリーチを拡大する。
② AI 関係者に国際指針の遵守を促し、高度な AI システムを開発する組織に国際行動規範の履行にコミットするよう求める取り組みを強化する。OECD や他のステークホルダーと協議し、これらの組織がこれらの行動の履行について説明責任を果たせるよう、モニタリングツール及びメカニズムを導入するための提案を策定する。
③ 「グローバル・チャレンジ」やその他の潜在的な機会を通じて、OECD、GPAI、国連教育科学文化機関(UNESCO)とのプロジェクトベースの協力を継続し、偽情報、透明性の課題、生成 AI に関連するその他の課題に対抗するための方策や実践を探求する。我々は、関連国の政策動向及び国際行動規範にコミットする組織のリストに関する最新情報を提供するために、広島 AI プロセスの専用ウェブサイトを立ち上げる予定であ
る。我々は、特にマルチステークホルダーコミュニティとの対話を促進することにより、広島AI プロセスの成果を推進することを約束する。我々は、OECD に対して、信頼できる AI
やリスク管理の実践に関する OECD の作業等の既存の AI の取組みにおいて広島 AIプロセスの成果を考慮することを奨励する。我々は、OECD、GPAI、国連を含め、高度な AI システムに関する我々のビジョンを推進するため、多国間の場における協調と協力を強化することにより、広島 AI プロセスを更に前進させることを目指す。
我々は、イタリア議長国の下で引き続き協力していくことを期待している。