成長志向の中堅企業の取組と中堅企業が成長する際の経営課題
経済産業省は2023年11月7日、「第17回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。
今回は、イノベーション・新陳代謝の促進から中堅企業に焦点をあててとりあげたいと思います。
中堅企業は、海外拠点の事業を拡大しつつも、国内拠点での事業・投資も着実に拡大し、国内経済の成長に最も大きく貢献。
その一方で、大企業は、この10年間で圧倒的に海外拠点での事業を拡大してきた。今後成長する中堅企業が、国内投資志向の成長戦略を描けるかどうかが、日本経済の持続的な成長に決定的に重要となっています。
成長志向の中堅企業の取組
地域未来牽引企業選定の中堅企業のうち、売上高成長率の上位1/3企業群と下位1/3企業群がそれぞれ「実施した取組」を分析すると、グローバル展開型(G型)では設備投資、内需主導型(L型)ではDX、研究開発、M&Aに顕著な差となっています。
ニーズはあるが実施できていない取組(=関心のある割合が実施した割合よりも高い項目)については、特にL型企業のDXとM&Aが顕著となっています。
出典:経済産業省第17回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.11.7
中堅企業が成長する際の経営課題
地域未来牽引企業を対象に「今後成長していくにあたって最大の経営課題 」も調査しています。
全ての企業群に共通して人材確保が最大の課題となっていますが、特に中堅企業では顕著となっています。
中堅企業のうち、G型(製造業・卸売業)とL型(小売り業・サービス業・その他)を比較すると、G型では大規模成長投資、L型では人材確保が特徴的な課題となっています。
出典:経済産業省第17回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.11.7