DXに成功している企業は、ビジネスニーズを起点としたDXを推進している
独立行政法人情報処理推進機構は2023年10月20日、「米国における企業のデジタル活用事例調査」を公表しました。
この中で、DXに成功している企業は、ビジネスニーズを起点としたDXを推進している点に焦点をあててとりあげたいと思います。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、今や多くの企業が取り組む重要なテーマとなっています。
しかし、成功する企業とそうでない企業があります。成功の鍵は何か。それは「ビジネスニーズを起点としたDX」であり、その実現には適切なアーキテクチャとケイパビリティの構築が不可欠となっており、そのポイントを挙げてみます。
DXのビジョンと経営陣のコミットメント
成功する企業は、DXに対する明確なビジョンを持ち、経営陣がその実現に全力で取り組んでいます。この強いコミットメントが、企業全体でのDX推進を可能にしています。経営陣がDXの重要性を理解し、それを社内外に明確にコミュニケーションすることで、従業員やパートナーもそのビジョンに共感し、積極的に行動を起こすといった流れをつくることができます。
ビジネスニーズを起点としたDX
ビジネスニーズをしっかりと把握し、それを解決する手段としてデジタル技術を活用することが、DXの成功への契機となります。事業部門の従業員がデジタル技術やデータを活用してビジネス変革を推進できるように、教育と体制作りが重要です。具体的には、従業員一人ひとりがビジネスニーズに対する解決策を自ら考え、それをデジタルで実現する力を身につけることが求められています
アーキテクチャの重要性
ビジネスニーズに応じた柔軟なアーキテクチャが必要です。これにより、新しい技術やサービスを迅速に導入し、ビジネスニーズに即応することが可能となります。アーキテクチャは、システムやプロセス、データの流れを設計する基盤となります。このアーキテクチャがしっかりとしていないと、どれだけ優れた技術を導入しても、その効果は半減してしまいます。
ケイパビリティの構築
成功する企業は、必要なケイパビリティ(能力)を確実に構築しています。これには、データ解析、AI活用、セキュリティ対策など、多岐にわたるスキルと知識が求められます。ケイパビリティの構築は、企業が持つべき核となる能力を明確にし、それに対する投資と教育を行うプロセスです。このケイパビリティが高まることで、企業は競争力を高め、ビジネスニーズに即応する力を身につけていくことができます。
事業部門とDXチームの連携
事業部門とDXチームが密接に連携することで、ビジネスニーズに応じたDXが実現します。この連携が、アーキテクチャとケイパビリティの適切な構築にも寄与しています。事業部門が持つビジネスの知識と、DXチームが持つテクノロジーの知識が結びつくことで、より効果的なDXが可能となります。
まとめ
DXを成功させるためには、ビジネスニーズを起点とし、それを支えるアーキテクチャとケイパビリティをしっかりと構築することが必要です。これらが揃った企業だけが、真のDXを実現できるとしています。経営陣のリーダーシップ、従業員の教育とスキル向上、そして事業部門とDXチームの緊密な連携。これらが一体となって初めて、ビジネスニーズを満たす形でのDXが実現するとしています。