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Beyond 5Gにおけるネットワークビジョンと、国際標準化の動きについて

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総務省は2023年11月7日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会(第40回)」を開催しました。

今回はこの中から、Beyond 5Gの国際標準化の動きについてとりあげたいと思います。

2018年頃から6Gの実現に向け有望と考えられる通信技術について学術的な議論が各地で活発に行われているほか、ユースケースや要求条件に関する議論も進んでいます。また、諸外国では、国際競争力強化等のため、Beyond 5G(6G)への積極的な研究開発投資を検討・実施が進んでいます。

2023年の4月末に開催された「G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合」では、G7デジタル技術・大臣会合閣僚宣言において、、Beyond 5G/6G 時代の将来のネットワークに関するG7 ビジョンについても触れています。以下、抜粋です。

現在のデジタルインフラの安全性と強靱性を向上させるこれらの取組に加えて、我々は、Beyond 5G/6G 時代の次世代ネットワークのビジョンを共有することの重要性に留意し、Beyond 5G/6G 時代の将来のネットワークに関するG7 ビジョンを承認する。我々は、2030 年代以降のデジタルインフラの構築に向けて、研究開発及び国際標準化に関する協力を強化することを約束する。

「安全で強靭なデジタルインフラ構築」に関する附属書[附属書2・3](要約)においては、【Beyond 5G/6G時代における将来ネットワークビジョン】についても言及しています。

【Beyond 5G/6G時代における将来ネットワークビジョン】
G7として次の要素を具備する次世代ネットワークに関する共有のビジョンを共有。

①エンドツーエンドの大容量・低遅延通信:無線アクセスネットワークだけでなく、ネットワーク全体のアーキテクチャを考慮した上で、将来ネットワークの重要技術や基準を設計・開発する必要。

②エネルギー効率性と環境負荷への影響:データ通信量の増加に伴うエネルギー消費と環境負荷を最小限に抑えるため、ネットワーク全体の消費電力の大幅な削減とエコ設計のネットワーク機器の開発が持続可能なデジタル社会の実現に不可欠な要素。

③複層的なネットワーク:地上系ネットワーク、海底ケーブル、低軌道衛星やHAPSなどの非地上系ネットワーク(NTN)を含む複層的なネットワークの開発・実装を通じてネットワークの接続性を強化。また、これらネットワーク間のシームレスな相互運用の重要性を認識。

④周波数効率性:小セル化を進め、より周波数利用効率を高めることにより、Beyond 5G/6Gのようなモバイルネットワークのエネルギー消費量を削減できる可能性。これらの要素に加えて、オープン性、相互運用性、モジュール性がBeyond5G時代の将来ネットワークにおいて重要な要素となることをG7として認識。

【安全で強靭なデジタルインフラの構築に向けたG7アクションプラン】(抜粋)
Beyond 5G/6G時代のデジタルインフラ構築に向けて、研究開発や国際標準化に関する協力を強化。この際、エネルギー消費と環境フットプリントの指標の進展を測定・監視することの重要性を認識。

Beyond 5Gの国際標準化の本格化

Beyond 5Gの国際標準化の動きについてもみていきたいと思います。

次世代情報通信インフラBeyond 5Gは、これから国際標準化の検討・作業が本格化する見込みであり、世界各国の主要企業が、国際的な市場獲得に向けてこれに注力していくことが想定されています。

国際標準化には、「デジュール標準」(ITUなど国の代表で構成する公的機関で標準規格を定める)と「フォーラム標準」(先端技術分野で国際的に有力な企業等がフォーラム組織を形成して合意により規格を決める)がある。

情報通信分野では、フォーラム標準での議論を主導しつつ、適切にデジュール標準に反映していくことが重要となる傾向があるとしています。

<情報通信分野の主な国際標準化団体(例)で、デジュール標準とフォーラム標準の活動をまとめています。

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情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会(第40回)

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