オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドレジリエンス向上のための9つの原則

»

ガードナーは2023年11月21日、「クラウドレジリエンス向上のための9つの原則」を公表しました。

Gartner Highlights 9 Principles to Improve Cloud Resilience

ガートナー社によると、インフラストラクチャー&オペレーションズ(I&O)のリーダーは、クラウド環境のレジリエンスを最大化するために9つの原則を採用する必要があるとしています。

ガートナーのアナリストは、

クラウドは魔法のようにレジリエントではなく、ほぼすべてのクラウド障害の原因は物理的な故障ではなく、ソフトウェアのバグにあります。

クラウドでの障害はほとんどが全体的なものではなく、サービスの停止が完全なものであることも少ないです。代わりに、部分的な障害、サービスの劣化、個々のサービスの問題、またはローカルな問題が一般的です。

とコメントしています。

ガートナーのアナリストは、クラウドレジリエンスを向上させるための9つの主要な原則に注目することをI&Oリーダーに推奨しています。

スクリーンショット 2023-11-25 13.26.55.png

出典:ガートナー 2023.11.21

1- ビジネスアラインメント(Business Alignment):
レジリエンスの要件をビジネスニーズに合わせる。このアラインメントがなければ、チームはレジリエンスの期待に応えられないか、費用をかけすぎることになる。

2- リスクベースのアプローチ(Risk-Based Approach):
災害的な出来事を超えたレジリエンス計画にリスクベースのアプローチを取る。組織がよりコントロールしやすい、より一般的な障害に重点を置く。

3- 依存性マッピング(Dependency Mapping):
ミドルウェアコンポーネント、データベース、クラウドサービス、統合ポイントなどをマッピングする依存性グラフを構築し、それらをレジリエンスのために設計・構成し、信頼性と災害復旧(DR)計画の両方に含める。

4- 継続的可用性(Continuous Availability):
継続的可用性のアプローチは、アプリケーション、サービス、データを常に利用可能な状態に保ち、障害イベント中にダウンタイムがなく、影響が限定されるように焦点を当てる。

5- レジリエント・バイ・デザイン(Resilient-By-Design):
アプリケーション自体がデザインによってレジリエントであるべき。インフラストラクチャーのレジリエンスだけでは、エンドユーザーが期待するゼロダウンタイムサービスを提供するには不十分である。

6- DR自動化(DR Automation):
完全に(またはほぼ完全に)自動化された災害復旧(DR)を実装することで、回復時間目標(RTO)を達成するための基盤が提供され、DRを定期的にテストすることが可能になる。

7- レジリエンス基準(Resilience Standards):
アーキテクチャとDRを超えたレジリエンス基準を採用する。レジリエントなシステムには、品質、自動化、継続的改善に焦点を当て、アプリケーションのライフサイクル全体に品質を浸透させることが必要である。

8- クラウドネイティブソリューションの優先(Favour Cloud-Native Solutions):
クラウドサービス事業者は、レジリエンスを向上させるために使用できる多様なソリューションを持っている。実現可能な場合、I&Oリーダーはこれらのソリューションを活用し、さらなる複雑さを加える独自の代替案を試みるのではなく、利用するべきである。

9- ビジネス機能へのフォーカス(Business Functions Focus):
単に「同様のものへの切り替え」に思考を限定するのではなく、最小限のビジネスクリティカル機能を提供する、軽量のIT代替案やアプリケーション代替案などの代替案を探求する。

Comment(0)