経済産業省が進める国産の生成AI基盤モデル開発の支援対象
生成AIは、情報のアクセシビリティの向上や労働力不足、生産性向上など社会課題の解決を担う革新的な技術であり、産業活動や国民生活に大きな影響を与えると考えられています。
世界で生成AIの開発が進む中、特に、生成AIのコア技術である基盤モデルの開発が急速に進展しており、日本としてもその開発能力の競争優位性を高めることが重要となっています。
経済産業省では、生成AIの開発を加速させる観点から、競争力ある基盤モデル開発を行う企業などへの支援スキームを検討する有識者委員会を設置し、議論を進めてきました。
有識者委員会での議論を受けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、10月下旬(予定)から、生成AIの基盤モデル開発の支援企業を公募を予定しています。
公募に先立ち、公募・採択をより円滑に進めるため2023年9月22日、生成AI基盤モデルの開発に係る事前調査の開始を発表しています。
支援対象となる生成AIの基盤モデル開発
支援対象となるのは、生成AIの基盤モデル開発です。
具体的には、
・大規模言語モデル
・画像など言語以外のモーダルを対象とした基盤モデル
・言語を含むマルチモーダルを対象とした基盤モデル
・特定分野に特化した基盤モデル
・日本語など汎用データを用いた既存モデルのチューニング
・特定ドメインデータを用いた特定ドメイン向けのチューニング
・対話データ等を用いて特定タスク向けのチューニング
が含まれています。
選定方針と参加資格、実施期間
提出された申請書に基づき、特に「性能」と「公開度」を重視して審査が行われます。開発実績がない企業なども参加可能で、その場合は「新規性」に焦点を当てて審査されます。
支援は、計算リソース(例:GPU)の提供とその利用料の助成という形で行われます。中小企業や学術機関には定額助成が適用され、それ以外の企業には助成率(1/2)が適用されます。
参加資格は「居住者」に限られ、日本国内に基盤モデル開発の中心的拠点を設置することが求められます。外資企業の日本法人も参加可能です。
基盤モデル開発の実施期間は2024年1月から半年間を予定し、事前調査は2023年9月22日から10月11日まで行われる予定です。
計算リソースの提供事業者は現時点で未定であり、助成額に上限を設ける可能性もあるとしています。
以上が、経済産業省とNEDOが推進する生成AIの基盤モデル開発に関する支援スキームの内容で、公式な公募要領は今後NEDOから公表される予定です。