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新規に大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充 〜令和6年総務省概算要求

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総務省は2023年8月31日、令和6年度概算要求を公表しました。

令和6年度概算要求(一般会計)では、令和5年度の 16兆8,625億円に対して、令和6年度要求額は17兆8,641億円+事項要求です。

令和6年度概算要求における主要事項

令和6年度概算要求における主要事項をそれぞれ挙げていきたいと思います。

活力ある多様な地域社会の実現に向けた地方行財政基盤の確立、地域DX・地域活性化の推進では、地域DXの推進、デジタル人材の育成・確保、地域で活躍する人材の充実などとなっています。

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出典:総務省 令和6年度概算要求 2023.8.31

令和6年度概算要求における主要事項

令和6年度概算要求における主要事項をそれぞれ挙げていきたいと思います。

活力ある多様な地域社会の実現に向けた地方行財政基盤の確立、地域DX・地域活性化の推進では、地域DXの推進、デジタル人材の育成・確保、地域で活躍する人材の充実などとなっています。

出典:総務省 令和6年度概算要求 2023.8.31

地域DXの推進を支える情報通信環境の整備では、デジタル基盤整備、デジタル実装による問題解決などとなっています。

個人的に注目しているのが、 「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」に基づく、全国津々浦々での光ファイバ・5Gの整備・維持更新、データセンター・海底ケーブル等の整備、非地上系ネットワーク(NTN)の展開などの取組の推進 です。

出典:総務省 令和6年度概算要求 2023.8.31

「Ⅲ防防災・減災、国土強靱化の推進による安全・安心なくらしの実現」、「Ⅳ土台となる社会基盤の確保」は省略します。

国際競争力の強化、国際連携の深化に向けた先導的取組の推進では、国際競争力の強化に向けたAIなどの科学技術・イノベーションの推進589.7億円+事項要求などとなっています。

出典:総務省 令和6年度概算要求 2023.8.31

国際競争力の強化に向けたAIなどの科学技術・イノベーションの推進

総務省では、生成AIの進展に伴い、大規模言語モデル(LLM)の開発力強化していく計画です。

我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充及びリスク対応力強化」において、 10.0(新規)億円を要求しています。

予算の内容は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)において、民間企業等におけるLLM開発 に必要となる大量・高品質で安全性の高い日本語を中心とする学習用言語データを整備・拡充し、法的課題を検討・整理した上で我が国のLLM開発者等にアクセスを提供 ・ ディープフェイクに代表される偽・誤情報等、生成AIに起因する様々なリスクに対応する ための技術の開発・実証を実施し、成果を関連事業者等に展開していくとしています。

【主な経費】我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充及び リスク対応力強化 10.0億円(新規)

そのほかのAI関連の概算要求では、「生成AIを含めたAIガイドラインの整備・普及」で 0.5(0.5)億円となっています。

生成AIの急速な普及を背景に、生成AIを含めたAIに関する事業者が、AIに関する懸 念やリスクに適切に対応するための方針として、国際的な動向も踏まえ既存のガイドラインを改定・統合し、さらに、必要な見直しを行っていくことで、我が国の生成AIの開発・提供・利用を促進していくとしています。

【主な経費】AIネットワークにおけるデータ利活用の促進に関する調査研究 0.5億円

安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発」で 4.0(0)億円となっています。

プライバシーデータや機密データ等を含め、我が国に存在するデータを分野の垣根を越 えてAI学習に活用することを可能とし、分野横断的な我が国の社会課題の解決や産業競争力の向上に貢献するため、実空間に存在する多様なデータを安全に連携させることを可能とする分散型機械学習技術を確立していくとしています。

【主な経費】安全なデータ連携による最適化AI技術の研究開発 4.0億円

G7も終わって一段落したので予算額は減っていますが、「広島AIプロセス」をはじめとするAIに関する国際的な議論をリード 」で4.2(24.1)となっています。

日本が2023年の議長国を務めているG7デジタル・技術大臣会合、G7サミット等の結果を踏まえ、G7やG20、OECD等の場において、国際的なAI原則の普及・展開、インターネットガバナンスの強化、DFFTの推進等の国際的な議論を引き続き主導していくとしています。

生成AIについては、そのガバナンスの必要性から、ガバナンスの在り方、知的財産権保護、透明性促進、偽情報への対策及び生成AI技術の責任ある活用等の諸課題について議論する「広島AIプロセス」を主導。引き続き、OECDやGPAI等との連携も強化しながら、国際的なルール形成にさらに貢献していくとしています。

【主な経費】多国間枠組におけるデータ流通等に係る連携強化事業 3.1億円 経済協力開発機構(OECD)への拠出 1.1億円

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