オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

ヨーロッパにおけるAI市場予測はどうなっているのか? 〜IDC調査から

»

IDCは2023年9月14日に公表した「Worldwide Artificial Intelligence Spending Guide(V2 2023)」によれば、2023年におけるヨーロッパでの人工知能(AI)支出は342億ドルに達し、世界のAI市場の20.6%を占めているといいます。

ヨーロッパでのAI支出は、2022年から2027年までの複合年間成長率(CAGR)が29.6%となり、世界平均のCAGR 26.9%よりもわずかに高く、2027年には961億ドルを超えると予測しています。

AIソリューションは、運用効率とIT最適化のニーズ、さらには優れた顧客体験(CX)を提供するために、市場は拡大傾向にあります。

IDCでは、特に金融セクターや通信、政府および自治体などの分野において、脅威情報と予防システム、詐欺分析と調査が一般的なAIの活用例と想定しています。

また、小売業界などにおいても、AIによる販売プロセスの強化により、顧客体験の向上にもつながっているといいます。

銀行、専門サービス、小売、製造、通信は、2023年におけるヨーロッパのAI市場支出の合計の60%以上を占める最大のAI産業であり、医療、メディア、個人および消費者サービス、公益事業などの他の産業での支出は少ないものの、平均以上のペースで成長しているといいます。

スクリーンショット 2023-09-18 13.38.41.png

出典:IDC 2023.9

不確実な経済環境で、インフレが投資判断に重要な役割を果たしている中、AI市場は、生成型AI(GenAI)技術に対する需要に支えられて健全に成長しているとしています。

IDCのアナリストは、

生成AIは、ベンダー、消費者、ビジネスから注目を集めており、その技術を製品に組み込む方法や、その使用から最大限に利益を得る方法、広く求められている中で責任ある使用を確保する方法など、さまざまな問題が提起されています

と述べられています。

IDCによると、生成AIの使用例は急速に増加しており、最も成長が速い生成AIの使用例は画像作成であり、主にメディアとマーケティング活動で広く使用され、次いで、特に専門サービス業界でテキスト作成が進んでいるといいます。

さらに、IDCでは、

企業は、既存のアプリケーションにAI機能を強化するために競争しており、より先見的で革新的なベンダーは、増加する需要に対応するためにGenAIを彼らのソリューションに組み込んでいます。

と、述べられているように、今後は既存のサービスやアプリケーションとの連携が加速していくでしょう。

Comment(0)