世界のAIチップ市場は2027年に2023年の2倍以上の1194億ドルに ～ガートナー予測から

ガートナーは8月22日、世界のAIチップに関する市場予測を公表しました。

Gartner Forecasts Worldwide AI Chips Revenue to Reach $53 Billion in 2023

ガートナーが公表した予測では、2023年のAIチップの市場は2022年から20.9%増加し、534億ドルに達すると予測しています。

背景には、生成AIの進展やデータセンター、エッジインフラ、エンドポイントデバイスでの幅広いAIベースのアプリケーションの使用増加により、GPUなどの最適化された半導体デバイスの展開が必要とされていることを挙げています。

AI半導体の収益は、2桁の成長を続け、2024年には671億ドルに増加し、2027年には2023年の市場規模の2倍以上、1194億ドルに達すると予測しています。日本円で換算すると１兆5,000億円を超える金額規模となります。

さらに、多くの産業やIT組織が、エンタープライズでのAIベースのワークロードの使用が成熟するにつれて、AIチップを含むシステム事業が広がっていくとしています。

AIベースのワークロードの効率的かつ最適化していくために、特別設計のAIチップの展開の増加につながるとしています。

ガートナーでは、長期的には、ハイパースケーラーがこれらのアプリケーションを効率的かつ費用効果的に展開するために、特別設計のAIチップの使用が増加すると予測しています。

今後の展望

世界的な規模で生成AIをはじめとしたAIの市場は急速に拡大しており、生成AIを稼働させるためのGPUをはじめとしたAIチップさらには、膨大なインフラ基盤が必要となってきます。

GPUなどのAIチップは、個々の企業だけでなく、国際競争力や経済安全保障なども含め、政策的な観点からも政府も含めた調達能力、さらには国産の製造能力も求められるようになっていくでしょう。