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企業の女性管理職の割合は平均 9.8%、過去最高 〜帝国データバンク調査から

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生産年齢人口の減少に加え、多様性がますます重要視されている現代社会において、女性活躍・男女共同参画は重要なテーマとなってます。なかでも、職場における女性の活躍推進は企業価値の向上のほか、多様な視点によるイノベーションの創出の期待も高まっています。

2023年6月に決定された「女性版骨太の方針2023」では、プライム市場に上場する企業の女性役員の割合を2030年までに30%以上にする目標を掲げています。

また、政府では2022年7月から従業員数301人以上の企業を対象に義務化されている男女間の賃金格差の情報開示を、101人以上の企業に対象を拡大することを検討するなど、政府は女性の能力を十分に発揮できる雇用環境づくりに向けてさまざまな強化策を打ち出しています。

こういった状況の中で、帝国データバンクは2023年8月17日、「女性登用に対する企業の見解について調査」を実施しました。本調査は、TDB景気動向調査2023年7月調査を行い、その調査結果を公表しています。

この調査結果について、詳しく解説していきたいと思います。

女性管理職割合は平均 9.8%、過去最高も 1 割に届かず

自社における管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合を尋ねたところ、「30%以上」は9.8%と 1 割未満にとどまっています。

「20%以上 30%未満」が6.4%、「10%以上 20%未満」が8.6%、「10%未満」が 25.9%となっています。

また、管理職が全員男性である企業(45.1%)は依然として 4 割を占めており、全項目のうち最も高くなっています。

女性管理職割合の平均は 9.8%となり、2013 年の調査開始以降で最高を更新しています。しかし、前年からの上昇幅は 0.4 ポイント増にとどまり、1 割を下回る低水準が継続している結果となっています。

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女性管理職の割合を規模別にみると、うち「小規模企業」が平均 12.6%で最も高くなっています。

他方「中小企業」は 10.2%、「大企業」は 7.5%となり、規模が小さい企業ほど女性管理職割合の平均は高い状況が続いています。

また、従業員数別でみても、従業員数「5 人以下」の企業が平均 15.7%で最も高くなっています。

出典:帝国データバンク 女性登用に対する企業の見解について調査 2023.8.17

「女性管理職 30%」の目標を達成している企業は 9.8%に

政府が目標として掲げている「女性管理職 30%」以上となっている企業は 9.8%で調査開始以降で最高となった。前年比 0.3 ポイント増となったが、依然として 1 ケタ台にとどまっています。

「女性管理職 30%」以上となっている企業を規模別にみると、女性管理職割合の平均と同様にうち「小規模企業」(15.7%)が最も高くなっています。

従業員数別でみても、「5 人以下」の企業が 20.7%で最も高くなっています。

業界別にみると、『小売』『不動産』が 2 割で上位となり、『製造』『運輸・倉庫』『建設』などは低水準にとどまっています。

出典:帝国データバンク 女性登用に対する企業の見解について調査 2023.8.17

女性役員割合の平均は 13.1%と過去最高も、「役員が全員男性」の企業は依然半数を超える

自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均13.1%と、前年(12.7%)から 0.4 ポイント増加し、過去最高となっています。

一方で、役員が全員男性とする企業 は53.0%と依然として半数を超えています。

出典:帝国データバンク 女性登用に対する企業の見解について調査 2023.8.17

3 社に 1 社が女性管理職割合の増加を見込む

自社における女性管理職割合が、現在と比較して今後どのように変わると考えているか尋ねたところ、女性管理職の割合が「増加する」と見込んでいる企業は 32.9%となっています。他方、「変わらない」は41.6%となっています。

女性役員については、今後「増加する」と考えている企業は 13.4%となった一方で、「変わらない」は 56.5%と半数以上を占めています。

従業員数別にみると「、301人以上」では女性管理職割合が今後「増加する」と見込む割合が63.7%と全体を 30.8 ポイント上回り、女性役員割合についても全体より 13.0 ポイント高く、従業員数が多い企業ほど女性管理職が増加すると考える割合が高くなっています。

出典:帝国データバンク 女性登用に対する企業の見解について調査 2023.8.17

女性活躍推進策、「公平な評価」が約 6 割でトップ

女性の活躍推進のために自社で行っていることについて尋ねたところ、「性別に関わらず成果で評価」が 59.0%でトップ、「性別に関わらず配置・配属」(48.2%)が続き、男女平等に関わる項目が上位に並んでいます。

次いで、「女性の育児・介護休業を取りやすくする 」(40.1%)といった、女性に特化した働きやすい環境づくりに関する対応策が続いています。

出典:帝国データバンク 女性登用に対する企業の見解について調査 2023.8.17

まとめ

世界の先進国など比べると、女性管理職が圧倒的に低いと言われている日本において、女性のリーダーシップの強化と、多様な価値観の尊重が求められるでしょう。企業の取り組みとして、女性のキャリア支援や育児との両立支援など、さまざまな取組が求められるところです。

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