生成AIと著作権
政府は2023年6月26日、「AI戦略会議 第3回」を開催しました。
今回は「知的財産推進計画2023」について(報告)から、生成AIと著作権についてとりあげたいと思います。
「知的財産推進計画2023」における対応について、著作権侵害リスク等についても触れられています。
基本認知機は、AI技術の進展と知的財産活動への影響です。
AI技術の進展と知的財産活動への影響では、急速に発展する生成AI時代における知財の在り方で、以下の2つがポイントとなります。
(1)生成AIと著作権
(2)AI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方
生成AIをとりまく現状は、AIをめぐる最近の動向として、生成AIの技術が急激に発展しています。画像生成、文章生成等の分野では、いくつかの単語や文章を入力するだけで、まるで人間が作成したかのような高精度なコンテンツを生成する強力なAIツールが、相次ぎ公表され、急速に普及しています。
政府ではこういった状況の中、様々なAIツールが開発され、普及していく中、それらAIと知財の関係について改めて検討を行う必要性を示しています。
生成AIの開発・提供・利用を促進するためにも、生成AIの懸念やリスクへの適切な対応を行うことが重要となっています。
生成AIと著作権について掘り下げていきましょう。
AIツールの一般ユーザーへの急速な普及拡大により、人間による創作と区別がつかないようなAI生成物が大量に生成され、クリエイターの創作活動にも影響が及ぶ懸念が高まっています。
生成AIがオリジナルに類似した著作物を生成するなどの懸念や、著作権侵害が大量に発生し、個々の権利者にとって紛争解決が困難となる等のおそれも指摘されています。
AI技術の進歩促進とクリエイターの権利保護等の双方の観点に留意しながら、論点を整理し、必要な方策などを検討していく重要性を示しています。
整理すべき論点として、
・学習用データとしての著作物の適切な利用
・AI生成物の著作物性
・AI生成物を利用・公表する際の著作権侵害に関する考え方
です。
知的財産推進計画2023 生成AIと著作権
出典:内閣府 AI戦略会議 第3回 2023.6.30
知的財産推進計画2023で生成AIと著作権では、現状と課題をあげ、施策の方向性として、
生成AIと著作権との関係について、AI技術の進歩の促進とクリエイターの権利保護等の観点に留意しながら、具体的な事例の把握・分析、法的考え方の整理を進め、必要な方策等を検討する。
としています。
知的財産推進計画2023 生成AIと著作権
出典:内閣府 AI戦略会議 第3回 2023.6.30