オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ 2.0 のポイント

»

総務省は、2023年5月30、「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ2.0」を公表しました。

社会全体のデジタル化が進展する中で、医療、教育、交通、農業などの分野でデータ利活用の可能性が無限に広がっています。5G、通信網、データセンター(DC)など、データ収集・伝送・処理を担う「デジタルインフラ」の重要性はますます高まっています。

これに対応するため、政府は「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ2.0」を基に、データセンターの地方分散立地の推進など、自然災害時のレジリエンス強化や脱炭素電源の活用などを視野に入れたデジタルインフラの整備を推進しています。

国際情勢や安全保障環境の変化、AIや量子コンピュータなどの次世代計算基盤・システムについての技術進展、DXの進展に伴う電力供給の懸念など、デジタルインフラの整備を進めるうえでの前提となる政策的・国家的意義が変化しています。

このような背景から、今年3月に再開された「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合」では、関連の専門家や企業関係者、関係省庁が集まり、今後の政策方向性について情報共有や意見交換が行われてきました。この議論を踏まえた「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ2.0」を公表しています。

デジタルインフラ整備の考え方と方向性が再整理され、現状や今後の影響を考慮したアプローチが提案されています。国内のデータセンターの大半が東京圏・大阪圏に集中していること、AIや量子コンピュータの技術進展、国際情勢の変化に伴い、アジアにおける日本のデータセンター適地としての位置づけの高まりなどが注目されています。

デジタルインフラの整備の基本的考え方として、これまで民間主導で整備してきましたが、環境変化を踏まえ、中長期的視点で国全体としてのグランドデザインを描き、官民で共有し、役割分担を踏まえた連携対応が必要とされています。

その方向性として、次の二点が挙げられています。

東京圏・大阪圏を補完・代替する第三、第四の中核拠点の整備:
大規模自然災害への備えや脱炭素電源の活用などを視野に入れつつ、北米やアジア太平洋とをつなぐ日本の地理的優位性を活用し、国際的なデータ流通のハブとしての機能を強化します。この中核拠点の整備は、北海道や九州などのエリアで促進していくとしています。

地域における分散型のデータセンターなどの計算資源の整備:
遅延が許容される用途に利用される計算資源やデータセンターについては、脱炭素電源の活用を含め、地方の適地に分散立地します。そして、データが発生する場所の近くにMulti-access Edge Computing(MEC)を配置し、MECで処理されるデータを統合して情報処理を行うデータセンターを地域レベルで配置します。

以上の整備方針は、「デジタルライフライン全国総合整備計画」を踏まえつつ、2030年頃に実用化が見込まれるオール光ネットワーク技術の活用も視野に入れ、データやエネルギーの「地産地消」の事業モデルを実現することを目指しています。

これらの取り組みにより、政府はデジタル社会を支えるインフラの強化と、データとエネルギーの効率的な利用を進めることで、日本全体のデジタルトランスフォーメーションを推進することを目指しています。今後の動向に注目が集まる中、デジタルインフラの未来についての新たなビジョンが描かれています。

スクリーンショット 2023-06-02 174847.png

出典:総務省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 中間とりまとめ2.0 2023.5.30

Comment(0)