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CRO(最高収益責任者)が今後の営業組織の編成で生成型AI運用チームを発足する動きが加速する 〜ガートナー調査から

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ガートナーは2023年6月22日、最高収益責任者(Chief Revenue Officers)の35%が、2年以内に自社の営業組織(Go-To-Market Organization)内に生成型AIの運用チームを発足すると予測する発表をしました。

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Gartner Says 35% of Chief Revenue Officers to Establish a Generative AI Operations Team in their Go-To-Market Organization Within Two Years.

AI(人工知能)の進展により、企業の販売戦略が大きく変わりつつあります。ガートナーの報告によれば、最高収益責任者(Chief Revenue Officers、CRO)の35%が、自社の営業組織(Go-To-Market、GTM)内に生成型AIの運用チームを発足するとされています。

これはAIが提供する高速かつ深い洞察により、GTMチームがバイヤー向けコンテンツを生産し、市場の動きに迅速に適応することを可能にし、販売の意思決定の信頼性を高め、収益を改善すると見られるとしています。

現在、営業は、販売プロセス全体で価値提案のメッセージを作成し配布するために、時間の52%を費やしているとガートナーは報告しています。生成型AIを利用した価値提案のメッセージは、ユーザ企業へのメッセージとコンテンツを生み出すために、この時間を大幅に短縮する可能性があるとしています。

ガートナーのアナリストによれば、「営業には、パイプライン内のすべての取引ですべてのバイヤーにカスタマイズされた価値のストーリーを提供する重大な責任がある。生成型AIを戦略的に販売員の創造性や魅力的なデータと組み合わせることで、フロントラインの営業がより迅速に優れたメッセージを作成することができる」と述べています。

さらに、ガートナーは生成型価値メッセージングのオペレーショナルフレームワークを提供しており、これは収益リーダーにとって生成型AI活動のリソースを計画的に配置し、効果的なパーソナライズされたメッセージングを促進する一方でリスクを管理・軽減するための道筋となるとしています。

これらの活動は、市場のニーズに迅速に対応し、ユーザ企業に対してより関連性の高いコンテンツとメッセージングを提供するために、企業が取るべき重要なステップであると見なされています。生成型AIは、市場のダイナミクスを理解し、それに基づいてパーソナライズされた価値提案を効率的に構築する上で非常に有益であるとしています。

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出典:ガートナー 2023.5.22

生成型AI運用の中核を成すのは、メッセージングストラテジストと呼ばれる内部クリエーターです。彼らはメッセージングプログラムの設計を担当し、生成型AIモデルの微調整や、コンテンツの監視ポリシーの維持などを行っています。これにより、彼らは生成型の価値提案のメッセージングを配信する役割を果たすとしています。

ガートナーによれば、2025年までに、B2Bの収益組織の45%が「プロンプトエンジニアリング」をメッセージングストラテジストの職務要件として掲載することが予想されています。これは、生成型AIと連携して効果的なメッセージングを生成するための新しいスキルセットを意味しています。

ガートナーのアナリストは、「生成型の価値メッセージングを採用することで、CROはトップラインの成長のためのセールス実行を改善し、販売コストを削減するリソース効率を向上させ、人間だけでコンテンツを作成する限界によって制約されていた機会のためのカスタムメイドのコンテンツを作成する」と述べています。

これらの情報を鑑みると、生成型AIを活用することは、営業組織にとってますます重要になっていることがわかります。

生成型AIは、販売プロセスを効率化し、販売員がより迅速かつ効果的にバイヤー中心のメッセージを作成する手助けをする可能性があります。これにより、最高収益責任者(CRO)は、セールスの実行を改善し、販売のコストを削減し、人間だけでは到底実現できないカスタムメイドのコンテンツを作成することができるとしています。

また、メッセージングストラテジストという役割は、生成型AIを効果的に活用するための要となり、この分野の専門家には「プロンプトエンジニアリング」などの新しいスキルが求められるようになるとしています。今後、「プロンプトエンジニアリング」の役割、注目されていきそうです。

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