日本ディープラーニング協会、『生成AIの利用ガイドライン』を公開
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日本ディープラーニング協会(JDLA)は2023年5月1日、『生成AIの利用ガイドライン』を公開しました。
本ガイドラインの概要の要点を紹介したいと思います(要約にはChatGPTのGPT-4を利用しています)。
このガイドラインは、業務でChatGPTなどの生成AIを利用する際の注意事項を説明しています。
主にデータ入力と生成物利用の注意事項に分かれています。
データ入力時に注意が必要な事項:
- 第三者の著作権を有するデータ:
生成AIへの入力自体は著作権侵害にはならないが、生成物が著作物と類似している場合は問題がある可能性があります。 - 登録商標・意匠(ロゴやデザイン):
生成AIへの入力は商標権侵害や意匠権侵害にはならないが、生成物が他者の登録商標・意匠と類似している場合は権利侵害になる可能性があります。 - 著名人の顔写真や氏名:
生成AIへの入力はパブリシティ権の侵害にはならないが、生成物で氏名や肖像を商用利用すると問題がある可能性があります。 - 個人情報:
ChatGPTでは入力データがOpenAI社のモデルの学習に利用されるため、個人情報の入力は避けるべきです。 - 他社から秘密保持義務を課されて開示された秘密情報:
生成AIへの入力はNDAに反する可能性があるため、入力しないでください。 - 自組織の機密情報:
法令違反にはならないが、生成AIの処理内容や規約によって機密情報が保護されなくなるリスクがあるため、入力を避けるべきです。 - 生成物利用時に注意すべき事項は、生成物が既存の権利を侵害する可能性がある場合や、他者の商標や意匠と類似している場合、著名人の氏名や肖像を商用利用する場合などです。これらの事項に注意し、適切に生成AIを利用してください。
生成物を利用する際の注意事項:
- 虚偽の情報:
大規模言語モデルは確率的に最もらしい文章を生成しますが、内容に虚偽が含まれることがあります。生成物を盲信せず、根拠や裏付けを自ら確認することが重要です。 - 権利侵害の可能性:
a. 著作権侵害: 生成物が既存の著作物と類似している場合、著作権侵害に該当する恐れがあります。特化型AIや既存著作物をプロンプトに入力しないよう注意し、生成物が類似していないか調査してください。
b. 商標権・意匠権侵害: 生成物を商品ロゴや広告に使用する場合、他者の商標権や意匠権を侵害する可能性があります。既存著作物の類似性に加え、登録商標・登録意匠の調査も行ってください。
c. 虚偽の個人情報・名誉毀損等: 個人情報保護法違反や名誉毀損・信用毀損に該当する恐れがあるため、生成物に虚偽の個人情報が含まれないよう注意してください。 - 著作権の発生しない可能性:
生成物に著作権が発生しない場合、第三者に模倣されるリスクがあります。人間の創作的寄与が重要となり、生成物を加筆・修正して利用することが望ましいです。 - 商用利用の可否:
生成AIによる生成物の商用利用は、利用規約によって異なります。ChatGPTの場合、利用規約に生成物の利用に制限がないことが明記されているため、問題はありません。 - 生成AIのポリシー上の制限:
法令上の制限に加えて、生成AIのサービスポリシーに独自の制限が設けられていることがあります。利用時にはこれらの制限にも注意が必要です。
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