世界における日本のデータセンターの位置づけ
総務省は2023年3月3日、「デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合(第4回)」を開催しました。
今回はこの中から、世界における日本のデータセンターの位置づけについてとりあげたいと思います。
世界のデータセンターの立地状況をみてみると、
ハイパースケールデータセンターの米国シェアは約50%となています。
アジアでは、中国が最大のデータセンター立地国であり、日本(2位)との差は大きくなっています。
昨今の国際情勢の影響から、香港における新たなデータセンターの整備は停滞している模様となっています。
世界のデータセンターの立地状況
出典:総務省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合(第4回) 2023.3
海底ケーブルの敷設状況をみてみましょう。
日本の国際通信の約99%は海底ケーブルを経由しており、国際海底ケーブルは日本にとって必要不可欠な情報通信インフラとなっています。
日本の陸揚げ拠点は南房総(~北茨城)と志摩のエリアに集中しています。
日本からの海底ケーブルの対地は北米が中心で、インターネットのトラヒックの増加に合わせ、日米間の海底ケーブルは今後も増設予定となっています。
同様に、東南アジア方面の需要も増加しており、シンガポールやインドへのルートも増設予定となっています。
この他、北極海を経由して欧州と日本をつなぐ海底ケーブルのルート等が検討されています。
海底ケーブルの敷設状況
出典:総務省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合(第4回) 2023.3
今後の注目されるのが、中国の動き、中国「東数西算」プロジェクトが進められています。
2022年2月、国家発展改革委員会などにより公表しています。京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ、粤港澳、成渝(成都・重慶)、内モンゴル、貴州、甘粛、寧夏の8エリアで計算資源のハブを建設し、各ハブを中心に大型データセンターを10か所集中的に建設する計画です。
中国「東数西算」プロジェクトの概要
出典:総務省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合(第4回) 2023.3
シンガポールでは、国家に占めるデータセンターの電力消費の割合は高い数値となっています。
国内に70のデータセンター(DC)が存在しており、DCの電力消費はシンガポール全体の7%以上を占めています。
2019年から新規DCの開発を停止するモラトリアム措置を講じていたが、2022年7月に制限付きで、開発停止の解除を実施しています。
出典:総務省 デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合(第4回) 2023.3