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「観光DX 推進のあり方に関する検討会」、中間取りまとめを公表

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観光地におけるDXの推進に向けて ~「観光DX 推進のあり方に関する検討会」の中間取りまとめを公表しました。

観光庁は2023年1月20日、観光地におけるDXの推進に向けて ~「観光DX 推進のあり方に関する検討会」の中間取りまとめを公表しました。

観光庁では、観光産業の生産性の低さや、観光地における近年の旅行形態や消費者ニーズの変化等への対応の遅れ等、観光産業・観光地が抱える課題を、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により解決を図っていくために、「観光DX推進のあり方に関する検討会」を設置し、討議を行い、「観光DX推進のあり方に関する検討会」の中間取りまとめを公表しています。

観光は、人口減少を迎えている日本において、成長戦略の柱、地方創生の切り札の一つとなっています。

現在、新型コロナウイルス感染症の影響により非常に厳しい状況が続いている観光地や観光産業を支えるため、政府では、国内の観光需要増加を目指した全国旅行支援等の様々な施策を実施しています。

また、インバウンドについても、感染症対策に係る水際措置の緩和を受け、本格的な回復に向けた政策パッケージを実施し、インバウンド消費5兆円超の速やかな達成を目指すこととしています。このような状況から、観光立国の復活に向けて、観光地が抱える課題の解決等、更なる対策が必要となっています。

感染症の影響が長期化したことで、デジタルツールの利用環境やネットワーク環境の整備が進むとともに、国民の意識や行動の変化等が生じ、観光地においてもデジタル技術を活用する機運が、これまで以上に高まっています。

そこで、観光庁は2021年度から、DXの推進が観光地における課題の解決につながると考え、先進事例の創出のための実証事業等の取組を行ってきています。

しかしながら、未だ観光分野においてDXを推進するためには、ツールの導入、データの利活用、デジタル人材の育成・活用等多岐にわたる課題が残っています。

そこで、こうした課題の解決の方向性を示すため、「観光DX推進のあり方に関する検討会」を本年9月に設置し、観光産業における現状と課題を整理するとともに、課題の解決策や将来ビジョンについて、これまで3回にわたり議論を行っています。

ウェブサイトやSNS等のオンライン上に多くの情報が流通し、人々の趣味・嗜好が多様化している現代では、旅行形態も旧来型の団体旅行・パック旅行からFIT(個人旅行)・SIT(特定の興味や目的に絞った旅行)へと変化してきています。

その一方で、旅行者の期待に応えるサービスを提供できている事例は少なく、観光地・観光産業においては、労働集約的な業態から他産業と比較して生産性が低く、デジタル技術やデータを経営に活用し、データに基づいた経営戦略の策定、マーケティング、効果検証等の取組が遅れている状況です。

このような状況を鑑みて、各地域・各事業者の個別最適の流れから、観光地・観光産業全体の最適化への転換を図り、観光地・観光産業におけるDXの推進していくために、本検討会では[1]旅行者の利便性向上・周遊促進、[2]観光地経営の高度化、[3]観光産業の生産性向上、[4]観光デジタル人材の育成・活用の4つの柱ごとに検討を行っています。

本中間取りまとめは、これまでの検討を踏まえ、4つの柱ごとに、将来ビジョンを設定し、それぞれ現状や課題を整理し、解決に寄与するデジタルツールや導入時・活用時における阻害要因、課題解決の方向性について取りまとめています。

検討の柱は、将来ビジョンも含めて以下の通り概要をまとめています。
[1]旅行者の利便性向上
旅行者の情報収集や予約等における不満の解消やタイムリーなレコメンド等により、旅行者の利便性向上や周遊促進を促すことで、旅の満足度向上や消費額増大が図られている

[2]観光地経営の高度化
収益等のデータに基づき、観光地が優先(重視)して取り組む事項が盛り込まれた経営戦略を策定した上で、持続可能な形で観光地経営が行われている

[3]観光産業の生産性向上
観光産業における低い生産性、低い収益性、低い賃金水準かつ人手不足という負のスパイラルから脱却するため、DXによる生産性向上を通じて、収益力強化、従業員の労働環境・待遇の改善を図り、優れた人材がさらなる生産性向上の取組を推進するなどの正のスパイラルへの転換が図られている

[4]観光デジタル人材の育成・活用
関係者のデジタルリテラシーが高いことに加え、仮説とデータ分析に基づいて意思決定できる人材を確保できている

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出典:「観光DX 推進のあり方に関する検討会」の中間取りまとめ 2023.1.20

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