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DAO(4)地方創生におけるDAOに対する期待と課題

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DAOについて、何回かに分けて、DAOに関する内容を投稿しています。

デジタル庁は2022年12月27日、「Web3.0研究会報告書」を公表しました。

この中から、地方創生におけるDAOに対する期待と課題について、とりあげたいと思います。

地域において、課題解決や地方創生に DAO を活用しようとする動きがある。DAO に対する期待として、本研究会のヒアリングにおいてこうした取組の当事者から、以下の指摘がでています。

・ 地域の課題を地域だけで解決することが困難になりつつある中、DAO の仕組みを活用して、地域を徹底的に開放していく必要がある

・ DAO に集まった多種多様な人たちのアイデアで、地域課題の解決や新たな価値の創造、トークンを使った新しい協働のまちづくりなどを目指しつつ、将来的には Web3.0 に取り組む企業の誘致にもつなげていきたい

・ DAO を通じて、地域を超えて寄せられた共感や応援といった力をリアルの地域活動に活かし、将来的には地域への寄附や移住、定住という動きにもつなげていきたい

・ これまで地域と関わりようもなかった多種多様な人材が DAO を通じて地域のためにインクルーシブに活動できるようになったことで、多様な働き方・自己実現を支援することにつながっている

地域における DAO は、新たな形態での人的・経済的な結び付きを通じて、課題解決や価値創造につながる可能性が期待されています。

一方、その持続可能性を実現するに当たっては、ガバナンストークンを始めとするインセンティブメカニズムの在り方、リアル住民とバーチャル住民(DAO 参加者)との関係性など、検討すべき課題が存在しています。

インセンティブメカニズムの在り方について、ヒアリングでは、DAO への参加者は現状、トークンの二次流通価格の上昇ではなく、トークン保有者という証(あかし)を用いて自らの活動の幅を広げていくことに価値を見いだしている、との指摘もあり、これに対し、DAO の持続可能性を実現するためには、以下の視点が必要との意見がでています。

・ 地域における DAO では、コミュニティの運営、ソフトウェア脆弱性対策、固定費等の経費負担が必要となることが想定されるため、これらの担い手を維持するための適切なインセンティブメカニズムが必要である。特に、トークンの二次流通価格が下落した際の対応も含め、ボラティリティがあっても持続的となるような設計が求められる。有償でトークンを購入した参加者との間でギブ・アンド・テイクの関係が持続的に成り立つよう、産業を興していくことも含めて検討する必要がある

・ この点、特にソフトウェア脆弱性対策については、個々の DAO のエンジニアが分散化したサイロの下で対応するのではなく、ベストプラクティスの共有を図る等、有限の人的資源を効率的に活用していく視点が重要である

さらに、リアル住民と DAO との関係性についても、以下の意見がでています。

・ 地域 DAO では、リアル住民とバーチャル住民(DAO 参加者)との間に理念や考え方の乖離が生じた場合に、DAO の存在をどう捉えるべきか悩ましい。また、自治体の予算を使う場合には、その使途をめぐり、リアル住民とバーチャル市民との間でコンフリクトが生じる可能性にも留意する必要がある

今後、地域における DAO の活用の動きが進んでいくと、DAO の活用によりどのような課題解決や地方創生が実現し得るのか、内外の DAO の参加者はどのような価値・意義を見いだして活動にコミットするのか、ガバナンストークンを通じていかなる価値やインセンティブをいかなる形態で配分するのか、リアル住民との持続可能な関係性をどう構築していくのか、といった点について、知見や課題の蓄積や共有が進んでいくことが期待されるとしています。

地方創生とDAO、さまざまな可能性が期待されていますが、まだまだ当面は試行錯誤が続くのではと想定されます。

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