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DAO(3)日本の各種団体の法的位置づけと DAO への適合

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DAOについて、何回かに分けて、DAOに関する内容を投稿しています。

デジタル庁は2022年12月27日、「Web3.0研究会報告書」を公表しました。

この中から、日本における各種団体の法的位置づけと DAO への適合度について、とりあげたいと思います。

DAO の設立・管理・運営の根拠となる法令の在り方については、英国をはじめ各国で様々な議論が進められています。

既存の DAO については、根拠法令が明らかでないものがある一方、DAO に親和性のある形式での財団の設立が可能な法域(例:ケイマン諸島、スイス)や DAO を念頭に置いた制度を整備している法域(例:米ワイオミング州)に根拠法令を求めているものが存在しています。

DAO に適合し得る日本における各種団体の特徴と、DAO に当てはめた際の課題について検討をすすめており、日本においては DAO の活動は合同会社、あるいは権利能力無き社団として整理することが可能であると思われるとしています。

スクリーンショット 2023-01-09 15.50.17.png出典:デジタル庁 日本におけるデジタル資産・分散台帳技術の活用、事業環境整備に係る調査研究 最終報告書 2022.12

日本において DAO は合同会社あるいは権利能力無き社団が適用し得る団体として考えられますが、いずれにおいても課題があり、以下のとおり整理しています。

スクリーンショット 2023-01-09 15.51.41.png

出典:デジタル庁 日本におけるデジタル資産・分散台帳技術の活用、事業環境整備に係る調査研究 最終報告書 2022.12

合同会社は定款等に社員の氏名・住所を記載する必要があり、権利能力無き社団は無限責任を負わされる民法上の組合との明確な区別の基準が無く、また法人格が無いことから契約の締結といった法人としての活動ができません。

この時、合同会社の社員の定義を一定量以上のトークンの保有等、ガバナンストークンに基づく方式にした上で、定款等に記載する社員の氏名・住所の情報を、KYC 済みのアドレスに置き換えることができれば、DAO に法人格を与えつつ、DAO の主要参加者のプライバシー・匿名性に配慮しながら、DAO のコアメンバの取引状況が透明化され、オンチェーンデータを生かした決算・監査対応の効率化といったメリットが期待できると思われるとしています。

つまり、合同会社がDAOに最も近いと考えられます。

一方、アドレスの KYC 情報を別途管理する必要がある他、KYC を DAO の構成員の要件とすることが、グローバルに自由な参加を旨とする DAO の在り方を妨げないような KYC プロセスを検討する必要があるとしています。

スクリーンショット 2023-01-09 15.53.09.png

出典:デジタル庁 日本におけるデジタル資産・分散台帳技術の活用、事業環境整備に係る調査研究 最終報告書 2022.12

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