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DX時代のスポーツビジネス 〜「スポーツDXレポート」から

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経済産業省は2022年12月7日、「スポーツDXレポート」の取りまとめを公表しました。

経済産業省では、スポーツ庁と共同で立ち上げた「スポーツコンテンツ・データビジネスの拡大に向けた権利の在り方研究会」を立ち上げています。

本研究会での検討結果を踏まえ、我が国におけるスポーツコンテンツやデータを活用したビジネスの現状や海外の先進事例、及び我が国でのスポーツDXビジネスの展開における法的課題を今回、「スポーツDXレポート」として取りまとめています。

スポーツ産業は、長期的なトレンドで見れば、日本と欧米も成長しており、今後も大きなポテンシャルがあると思われるとしています。

一方、欧米のプロスポーツの中には高い成長率で拡大しているリーグもあり、そういったリーグと日本を比較すると、放映権・広告料などの収益力でその差が拡大していることを指摘しています。

この背景の一つとして、DXによる事業環境変化(視聴方法の変化、データビジネスの拡大、web3.0時代の新しいサービスの台頭等)への対応の在り方が挙げられるとしています。

本研究会では、我が国におけるスポーツコンテンツやデータを活用したビジネスの現状や海外の先進事例及び我が国でのスポーツDXビジネスの展開における法的課題について検討し、その結果をスポーツDXレポートとしてまとめています。

スポーツDXによる変化として、特に、①視聴方法の変化(配信の拡大)、②データビジネスの広がり(ゲーム市場、海外スポーツベッティング市場の拡大)、③NFT等のWeb3.0時代の新しいサービスの台頭が挙げられる中、本レポートでは以下のスポーツビジネスを取り上げています。

①視聴方法の変化では、スポーツ中継はテレビ放映が一般的でしたが、近年はDAZNやNetflix等のインターネット配信が広がり、媒体もテレビのみならずスマートフォンなど多様化しています。スポーツリーグが制作を担い著作権を持つケースも増加しています。

②データビジネスの広がりでは、海外では「参加費分配型」のファンタジースポーツが開催され、参加者が数ドル~十ドルの参加費を支払い、数万~数十万ドルの賞金を獲得できるコンテストも存在しています。

国内では、参加費ではなく「スポンサー提供賞金分配型」のスキームとして始まっています。

また、海外では、試合結果の勝敗・得失点、試合中の選手ごとの各種スタッツ等、様々な数値・現象がデータ化され、それがスポーツリーグ・ベッティング事業者・ゲーム事業者・メディア等の各種ビジネスに活用されています。

③NFT等のWeb3.0時代の新しいサービスの台頭では、海外では写真や動画のNFTがランダムに封入されたパッケージの販売や二次流通市場の提供等Web3.0サービスが登場し、成長しています。

国内ではNFTのランダムパック販売と二次流通市場を併せたサービスや、スポーツトークンの市場については法的な予見可能性に課題があるとしています。

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出典:経済産業省 「スポーツDXレポート」 2022.12

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