企業のDX成熟度、企業の進捗度に差も
企業は、デジタルテクノロジーのみならず企業文化や事業変革していく「DX(デジタルトランスフォーメーション)」推進に力をいれていますが、企業において進捗度に差が出てきている。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2022年8月17日、企業における DX の現状や傾向を把握することを目的として、「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2021年版)」を公開しました。
本レポートは、経済産業省のDX推進状況の自己診断ツール「DX推進指標」をもとに、486社の企業の自己診断結果を収集し、2021年までのデータを分析してまとめています。
■DX推進指標とは
DX推進指標は、各企業が簡易な自己診断を行うことを可能とするものであり、以下の2つから構成されています。
1.DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標
「DX推進の枠組み」(定性指標)、「DX推進の取組状況」(定量指標)
2.DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標
「ITシステム構築の枠組み」(定性指標)、「ITシステム構築の取組状況」(定量指標)
DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築について、35項目の定性指標を設けており、各企業は「成熟度レベル」で回答しています。
定性指標においては、成熟度を0~5の6段階で評価しており、レベル0は「DX未着手」、最終的なゴールのレベル5は「デジタル企業として、グローバル競争を勝ち抜くことのできるレベル」となります。
DX推進指標に記載されている成熟度レベルの基本的な考え方は以下のとおりです。
成熟度レベルの基本的な考え方
出典:IPA DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2021年版) 2022.8
全件における経年変化をみてみたいと思います。
2019 年における有効回答 248 件と、2020 年における有効回答 307 件と、2021 年における有効回答 486 件の企業ごとの成熟度の分布の比較を実施しています。。
現在値の平均が「1 未満」と「1 以上 2 未満」の企業の割合は毎年減り、それに対して、「2以上 3 未満」、「3 以上 4 未満」、「4 以上 5 以下」の企業の割合は毎年増えています。
先にも述べたように、先行企業が全体に占める割合は、2019 年の 4.4%から、2020 年は 8.5%に、2021 年には 17.7%に増加しています。
出典:IPA DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2021年版) 2022.8