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デジタルで収益向上を達成するための特徴

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経済産業省は2022年7月13日、「第2回 コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会」を開催しました。

この中から、企業におけるデジタルで収益向上を達成するための特徴について、とりあげたいと思います。

デジタルで収益向上を達成するための特徴(1/2)は

(1)
部門間は互いに関係しあっているため、個別部門から順番に変革しても未変革の他部門に影響を受けるため、全体の変革が完了しない。このため、変革を推進するため
には、全社を対象にトップダウンで一斉に実施しなければならない。
補足)例えば、分社化して出島にするということは、一斉に一気に実施して成功事例を定着させるための方法である。(小さく始めるための方法ではない)

(2)
経営者は、ビジョンや戦略を示すだけでは不十分であり、社員が新しい仕事のやり方や働き方に順応できるように、判断の拠りどころとなる行動指針を示さなければならない。

(3)
競争領域の取り組みは、国内の同業他社事例に頼るのではなく、異業種であってもグローバルに通用するような事例を参考にデジタル化戦略を定める。
補足)個別領域や個別地域のルールを重視しつつ、データやデジタル技術の効用をいかに自社へ導入するかを考えることが重要。

(4)
変革は、立ち止まることなく、顧客や市場の反応に合わせて継続しなければならない。
補足)DXを先送りする理由や経営課題としての優先度を下げる理由はいくらでも出てくるが、立ち止まることで競合他社との差が開いていく、または、何もしないだけで遅れていくという認識が不足している。

スクリーンショット 2022-07-23 161729.png

出典:経済産業省 第2回 コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会 2022.7

デジタルで収益向上を達成するための特徴(2/2)

(5)
DXにおける競争優位性は、製品・サービス中心ではなく、顧客志向を徹底することにある。その際には、顧客行動をデータでどれだけ可視化(再現)できているかが差別
化要因になる。

(6)
同じく、DXにおける競争優位性は、個人単位の強みに頼るのではなく、組織レベルで集積されてこそ発揮されるものである。その際には、組織や業務を横断してどれだけ広範囲にデータが共有され、活用できているかが重要である。

(7)
自社の強みを外部に発信できなければ、顧客や他社とつながるエコシステムに自社が組み込まれることもなく、持続的な成長を期待することもできない。

(8)
他社サービス(特に、プラットフォーム)は、競争領域と考えるのではなく、協調領域として積極活用すべきである。(自社の強みが明確になっていれば、協調領域が同
時に明確になっているため)

スクリーンショット 2022-07-23 162409.png

出典:経済産業省 第2回 コロナ禍を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会 2022.7

これを読むと、デジタルテクノロジー活用の前に、戦略や意識改革、エコシステム等への対応が成否を分けているのかもしれません。

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