DXの自動化レベルとテクノロジの関係 ITRの調査から
独立系ITコンサルティング・調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2022年8月18日、国内企業の業務自動化に向けた取り組み状況と、テクノロジ選定のポイントを解説したホワイトペーパー『業務自動化に向けた国内企業の現状と展望』を公開しました。
ITRホワイトペーパーの概要
2022年3月に、ITRが国内大企業(年商規模500億円以上)の部長職以上を対象に実施したアンケート調査では、「業務の自動化」を最重要事項と認識している回答者の割合は45%に上り、2番目に高い値とっています。
その要因としては、
① コロナ禍に伴うワークスタイルの変化
② 慢性的な人員不足
③ ペーパーレス化の進展に伴うデータ量の増大
をあげています。
国内大企業が自動化に取り組む業務領域として、現時点で最も多くの企業が取り組んでいるのは、「人事/給与」であり、バックオフィス業務が中心となっています。
一方で、今後に向けた準備・検討を進めている割合が最も高かったのは、「営業/マーケティング」で、顧客接点の強化やビジネスの差別化につながるフロントオフィス業務にも自動化の対象と考えられるようになっていることがうかがえるとしています。
業務を自動化する手段にはさまざまなテクノロジが存在します。それらを選定するうえで重視すべきなのが、目指す自動化の水準(レベル)をあげています。
例えば、RPAやマクロといったUIをベースとした自動化ツールは、個人または部門内に閉じた自動化には効力を発揮するものの、部門横断的ないし人による意思決定との組み合わせが必要となる業務プロセスの自動化においては、APIによるシステム間連携がより適しているといえるとしています。
ITRでは、
異種混在環境において、単一のテクノロジで高度な自動化を持続させることは困難です。特に、部門横断型の自動化を推進するうえでは、各アプリケーションの仕様変更の影響を受けにくいAPI連携の利用価値は大きく(中略)、今後はAPIによる自動化をベースとしつつ、局所的にRPAが得意とするUIによる自動化を取り入れることがベスト・プラクティスとなるでしょう
とコメントしています。
自動化レベルとテクノロジの関係
出典:ITR 業務自動化に向けた国内企業の現状と展望 2022.8.18
<参考データ>
出典:ITR 業務自動化に向けた国内企業の現状と展望 2022.8.18
出典:ITR 業務自動化に向けた国内企業の現状と展望 2022.8.18