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企業におけるデジタル活用の動向 ~情報通信白書2022から

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総務省は2022年7月5日、「令和4年「情報通信に関する現状報告」(令和4年版情報通信白書)」を公表しました。

今回は、企業におけるデジタル活用の動向について、とりあげたいと思います。

DXに関する取組を進めている企業の割合(「全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる」、「全社戦略に基づき、一部の部門においてDXに取り組んでいる」、「部署ごとに個別でDXに取り組んでいる」の合計値)は、日本企業は約56%であるのに対し、米国企業は約79%と、日本企業の方が低い結果となっています。

また、DXに取り組む目的については、日本企業は「生産性向上」が約75%と最多であるのに対し、中国企業は「データ分析・活用」が約80%と最多となっています。

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デジタル化の目的(国別)
出展:総務省 情報通信白書2022

デジタル化の効果を「新規ビジネス創出」、「生産性向上」、「データ分析・活用」及び「商品・サービスの差別化」の観点に分けて調査したところ、各観点に共通して、日本企業は「期待以上」の回答が米国・中国・ドイツの3か国と比べて少なく、一方で「期待するほどの効果を得られていない」の回答は4か国の中で最も多くなっています。

デジタル化を進める上での課題・障壁として、日本企業は「人材不足(67.6%)」の回答が米国・中国・ドイツの3か国に比べて非常に多く、次いで「デジタル技術の知識・リテラシー不足(44.8%)」と、人材に関する課題・障壁が多くなっています。

また、各国の企業が保有するデジタル人材(「CIOやCDO等のデジタル化の主導者」、「AI・データ解析の専門家」)の不足状況については、日本企業は両デジタル人材に共通して「大いに不足している」と「多少不足している」を合計すると50%を超える結果となり、全体的にデジタル人材が不足している状況にある。特に「AI・データ解析の専門家」は「大いに不足している」が30%を超え、米国やドイツと比べると不足状況が深刻であるとなっています。

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デジタル化を進める上での課題や障壁(国別)
出展:総務省 情報通信白書2022

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