デジタル時代におけるグローバル サプライチェーン高度化と可視化
経済産業省は2022年6月2日、「デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会」を新たに設置し、その第1回を開催しました。
経済活動のグローバル化の進展の中、日本が持続的な発展を遂げていくためには、海外の成長市場の取り組みが不可欠であり、大きな市場ポテンシャルを有するアジア各国との一層の経済関係深化は重要な政策的課題としてあげています。
日本とアジア各国の経済関係は、国境をまたがるサプライチェーンの形でも存在するところ、昨今大きな課題となっているサプラチェーンの強靱化や人権・脱炭素等の非経済的価値への対応は、日本国内のみならずアジア地域の取引先企業も含めた取組が求められるとしています。
こうしたサプライチェーンに関する種々の課題の解決策として、デジタル技術を使ったサプライチェーンの可視化や上流も含めたデータ連携が近年着目されておりますが、欧州では欧州大での企業間のデータ共有を可能にするイニシアティブが発展しており、サプライチェーン強靱化といった目的への活用にも検討され始めています。
本研究会では
①日本とアジア各国の経済関係の深化
②サプライチェーン強靱化といった二つの政策目的実現に資するアプローチとしてサプライチェーンのデータ連携
に焦点を当て、官民が共同でアジア地域大でのデータ連携のあり方を検討し、取組を進めていくため、本研究会を設置しています。
本研究会でポイントとなっているのが、サプライチェーンの複雑化による強靭化に向けた対応です。
サプライチェーンの変動に対して、サプライチェーン全体の変化を捕捉、意思決定の上、迅速に対応する能力が必要となるとしています。
可視化では、サプライチェーンの全体構造とパフォーマンス状況及び、市場・取引先状況を常時モニタリングしつつ、変化を早期に捕捉すること。
意思決定では、データに基づき、変化の影響・インパクトを分析しつつ、打ち手の検討及び、タイムリーな意思決定を行うこと。
実行では、意思決定に基づき、生産・販売・調達の調整や、拠点切り替えなどの打ち手を柔軟・迅速に実行すること。
の3つの能力、そしてステップが必要としています。
こういった中で、企業におけるサプライチェーン可視化のスコープは拡大し、上流・下流跨った可視化が求められています。
出典:経済産業省 デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会 2022.6