NFTの活用を通じたクリエイターエコノミーの創出に向けて
経済産業省は2022年4月22日、「第7回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催し、包摂的成長(地域・中小小規模企業・文化・スポーツ等)について、議論・検討を行っています。
この中から、NFTの活用を通じたクリエイターエコノミーの創出に向けて、とりあげたいと思います。
NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、ブロックチェーン上で発行された「一点モノ」のトークンの定義しています。ブロックチェーンの特長を生かし、NFTが「偽造不可能な鑑定書+所有証明書」の性質を持っています。
そのため、デジタルデータは容易にコピーできてしまうが、NFTの活用により、クリエイターが生み出すデジタル作品等が「唯一無二の資産」として取引できるため、ゲームやアニメの分野でも、クリエイターの収益源多元化など、「新しい資金循環」が生まれる可能性が期待されています。
NFTビジネス全般における日本のプレゼンスを高めるためにも、競争力のある日本のコンテンツの活用が期待されていますが、今後は、NFTを活用したビジネスモデルを構築するために必要な法規制や権利関係の整理についての検討を行うことも必要であるとしています。
クリエイターへの収益分配の例では、以下のConata(3D空間で利用可能なアイテムを販売する仮想ショップ)の事例をとりあげています。
バーチャル空間上で利用可能なアイテム(音楽、キャラクターなど)を購入することが可能で、Conataで購入したアイテムは一点ものであり、アイテムの所有権を管理できます。
Conataではバーチャル空間で自分だけの部屋を作り、自分の好きなアイテムだらけのアイテムを作ることも可能です。
独自のスマートコントラクトを使用することで、アイテムやアバターの所有権を管理すると同時に、クリエイターにも利益が自動で分配する仕組みを構築しています。
出典:経済産業省 第7回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2022.4
といったように、NFTの活用を通じたクリエイターエコノミーの創出は、新たな産業モデルを生み出すための重要な取り組みの一つとなるのかもしれません。