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2026年までに、人々の4分の1は、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになる ~ガートナー メタバースに関する展望

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ガートナージャパンは2022年2月9日、「メタバースに関する展望」を発表しました (グローバルでは2022年2月7日に発表)。

ガートナーでは、2026年までに、人々の25%は、仕事、ショッピング、教育、ソーシャルやエンターテインメントなどに、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになると予測しています。

ガートナーのアナリストは

ベンダーはすでにユーザーがデジタル化された世界で生活を体験するための空間やサービスを構築しています。仮想クラスルームへの出席から、デジタル空間上の土地の購入、仮想住宅の建築に至るまで、これらの活動は現在、別々の環境で行われています。将来的には、さまざまなテクノロジやエクスペリエンスにまたがる単一の環境、すなわちメタバースの中で行われるようになるでしょう

とコメントしています。

ガートナーではメタバースについて、

仮想的に拡張された物理的現実とデジタル化された現実の融合によって創り出される集合的な仮想共有空間

と定義しています。

メタバースは、継続的なイマーシブ・エクスペリエンス (没入感) を提供し、タブレットからヘッドマウントディスプレイまで、デバイスに依存せず、さまざまなデバイスからアクセス可能としています。

メタバースは単一のベンダーが所有するものではなく、デジタル通貨と非代替性トークン (NFT) によって実現される新たなデジタル・エコノミーになると予想しており、メタバースは、消費者が日々接するあらゆるビジネスに影響を与えると予測しています。

メタバースは、働き方にも影響を及ぼすとしています。企業は、仮想オフィスに没入型ワークスペース (没入型テクノロジを利用した仮想オフィス) 環境を導入することで、従業員により良いエンゲージメント、コラボレーション、つながりの機会を提供。また、メタバースがフレームワークを提供するため、ビジネスの実行においても独自のインフラを構築する必要はなく、この1年半の間に人気を得た仮想イベントは、今後、今まで以上にコラボレーティブで没入感のあるつながりの機会やワークショップを提供すると予測しています。

ガートナーでは、

企業は、デジタル・ビジネスからメタバース・ビジネスに移行することで、自社のビジネスモデルを、これまでとは全く違うやり方で拡大・強化できるようになります。2026年までに、世界の組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを持つようになるでしょう

と予測しています。

ガートナーでは、メタバース・テクノロジの採用は始まったばかりで部分的であることから、特定のメタバースへの多額の投資については注意を促しています。

どの投資が長期的に有効であるかを判断するには時期尚早です。プロダクト・マネージャーは、競争力を高めるためにメタバースを学習、検証、準備するための時間を割くべきです

と指摘しています。

ガートナージャパンのアナリストは、

メタバースは、従来型の仮想空間を『超えた』ものであり、リアルの物理空間とバーチャル仮想空間を融合した、フルデジタル化された環境を指します。『メタバースはアバターで参加する仮想空間である』というように単純に捉えるべきではありません。メタバースは、『これから』の話であるため、今すぐに成熟した完璧なメタバースが登場するわけではありません。メタバースは将来に向けたビジョンです。すべての企業は、メタバースを2030年、またそれ以降に訪れるであろうNew Worldに向けた一つのメガトレンドであると捉え、インターネット初期と同様、これからの将来を展望し、可能性とリスクを洞察することが重要です

メタバースは、デジタル・ワークプレースの議論と実践を新たなステージへとシフトするきっかけをもたらします。メタバースによって、企業は、VR、AR、MRといった単なるテクノロジ採用を超えた、新たなワークプレースを模索していくことになるでしょう

とコメントしています。

これらの市場成長が期待できる領域だと思います。

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Gartnerのサービスをご利用のお客様は、リサーチノート「Predicts 2022: 4 Technology Bets for Building the Digital Future」および「Quick Answer: What Is a Metaverse?」で詳細をご覧いただけます。また、前出の亦賀と針生がリサーチノート「メタバースの可能性とインパクトを考察する」でメタバースについて解説しています。

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