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国内DX推進企業のデータ利活用における課題は? 〜IDC調査から

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IDC Japanは2021年11月25日、国内におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進企業のデータ利活用動向とIoT推進企業の取り組み状況に関する調査結果を発表しました。

「データ利活用統括者調査」では、自身が課長職以上で、自社がDXを目的としたデータ利活用を推進し、自社におけるデータ利活用に関する目的や課題、活用データの種類、必要な技術やスキル、推進組織やプロセス、経営方針や展望などを2割以上把握している「データ利活用統括者」を対象に調査を行っています。

これらのデータ利活用統括者が所属する企業を、

「レベル3:全社的なDX実現に向けたデータ利活用」
「レベル2:部分的なDX実現に向けたデータ利活用」
「レベル1:データを通じた現状把握/予測などが中心」

といったデータ利活用の成熟レベル別に分類し、課題の考察を行っています。

IDCの調査では、データ利活用の課題として、データサイエンス/エンジニアリングスキルの不足を懸念する傾向が強いことが明らかとなっています。

また、組織の分断/データのサイロ化、経営層の意識の低さや将来に向けた見通しの甘さ、システムの過度な複雑化、データパイプライン内のプロセス間の無駄などが課題として目立っています。

レベル3の企業では、
すでに全社的にDX実現に向けたデータ利活用を進めていることから、「活用データの仕様/形式が不統一」「取り組みの負担が一部社員に集中」「KPIが未確立」といった実践的な課題が特徴的であることが明らかとなっています。

レベル2の企業では、
「組織の分断/サイロ化」や「データサイエンス/エンジニアリングスキル不足」などが目立っています。

レベル1の企業では、
「システムの過度な複雑化」や「データ活用プロセス間の無駄が多大」が顕著であり、経営層の「ビジョン/意識の欠如」の回答も多くなっています。

スクリーンショット 2021-11-27 15.38.41.png

出典:国内におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進企業のデータ利活用動向 2021.11

IDC Japan のコミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの鳥巣 悠太 は、

DX推進企業におけるデータ利活用の課題は、取り組みの成熟レベルによって多様化している。ITベンダーは企業のレベルに合わせたデータ利活用ソリューションの最適化、人材の登用/待遇の改善や組織変革に向けたコンサルティング、CxOのマインドセット転換に向けたアドバイザリーなどを推進すべきである

と述べられています。

<参考資料(1)>

「Q. お勤め先の企業におけるデータ利活用の課題は何ですか? 「人材/スキル」「組織構造」「経営方針/企業文化」「技術/データガバナンス」「業務プロセス」の5つの観点のそれぞれにおいて、最大3つまで選んでください。」

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