ハイパースケールデータセンターの新設投資が、国内データセンター投資の拡大を牽引
IDC Japan は2021年7月20日、「2021年 国内データセンター(DC)管理者調査」を発表しました。
本調査によると、事業者DCでは、40%の管理者がデータセンターやサーバールームの新設予定があると回答したのに対し、企業内DCの管理者のうちデータセンターやサーバールームの新設予定があると回答したのは11%にとどまっています。
多くの企業のIT資産がクラウドサービス上で稼働するようになっているため、企業内DCを新設する傾向は弱い一方で、クラウドサービス提供に必要な事業者DCが次々と新設されています。加えて、ソーシャルメディアやスマホアプリのようなネットを使った新たなサービスを提供するために、クラウドサービスに対する需要は一層拡大傾向が強まっていることも、事業者DCの新設が多く予定されている要因であると、IDCでは指摘しています。
このようなクラウドサービス拠点となる事業者DCは、「ハイパースケールデータセンター」と呼ばれますが、新設される建物の規模や電力容量の大きさが特徴としています。その一方で、事業者DCの中には、クラウドサービス提供を目的としないようなDCの新設も予定されており、これらのデータセンターを「従来型データセンター」と呼んでいます。
従来型DCの新設規模は、他社のDC内の一部のサーバールームを賃借することによってDCを設置するケースが多いため、ハイパースケールDCの新設規模より小さく、事業者DCの新設投資は、大規模な建物建設を伴うハイパースケールDCと、小規模なサーバールーム構築にとどまる従来型DCとで二極化すると指摘しています。
IDCでは、クラウドサービスに対する需要は今後も拡大することが予測され、「ハイパースケールデータセンターの新設投資が、国内データセンター投資の拡大を牽引する傾向は今後も続くだろう」と、予測しています。
データセンター新設予定ありと回答したDC管理者の比率、2016年~2021年
出典:IDC Japan 2021年 国内データセンター(DC)管理者調査 2021.7