戦略的な研究開発分野の推進に向けて
内閣府は2020年11月26日、「総合科学技術・イノベーション会議」を開催し、戦略的な研究開発分野の推進やサイエンスマップに関する議論・検討を行っています。
この中から、戦略的な研究開発分野の推進についてとりあげたいと思います。
現状分析と課題を紹介したいと思います。
政府では、諸外国においては、コロナ禍を踏まえたワクチン開発などの緊急対応のみならず、グリーンディールなど未来産業創出や、経済安全保障の視点からの研究開発戦略と大規模投資の方向性を打ち出しており、日本は遅れをとっています。
あるべき姿としては、
最新の研究開発動向や経済状況、地政学的状況等を収集・分析し、社会の変化に的確に対応し、科学技術・イノベーション政策として先手が打てる体制を実現するといったこと目指しています。
具体的には、
(1)社会課題解決を目指す研究開発の推進
・気候変動対策、環境エネルギー、安全・安心、防災・減災、食料・農林水産業、社会資本・交通等の社会課題の解決を目指した研究開発を分野別戦略等に基づき推進する。
・地政学的な視点を考慮しつつ、地球規模課題の解決のための国際貢献を通じて、我が国のプレゼンスを高める。(ODA等の活用)
(2)基盤的分野の研究開発の推進
・AI、量子、マテリアル、バイオ等の我が国の基盤となる科学技術分野を分野別戦略等に基づき推進する
(3)エビデンスに基づく戦略分野の分析・検討の体制・プロセスの確立
・内閣府は関係機関の協力を得て、定量分析(タスク1)及び専門家の知見によるエキスパートジャッジ(タスク2)のプロセスに基づき重要科学技術領域を策定し、統合イノベーション戦略、分野別戦略等のアップデートや具体化等の政策検討(タスク3)に活用する。
・関係調査研究機関が連携し、新たな調査分析手法等の開発をすすめる。
といったことをあげています。
戦略的な研究開発分野の推進に関する枠組みは以下のとおりです。
出所:総合科学技術・イノベーション会議 2020.11
今般の提案による新たな取組では、
タスク1では定量分析、タスク2では専門家のち県による検討(エキスパートジャッジ)をいれており、戦略的な研究開発分野の推進に向けての重要なプロセスの位置づけとなっています。
出所:総合科学技術・イノベーション会議 2020.11