Trusted Web推進に向けたビジョンと全体の将来像
政府のデジタル市場競争本部は2020年10月15日、「Trusted Web推進協議会」を開催しました。
本推進協議会では、「デジタル市場競争に係る中期展望レポート」(令和2年6月16日デジタル市場競争会議)に基づき、将来の競争構造の変化を睨み、データ・ガバナンスのあり方をテクノロジーで変える分散型の"Trusted Web"の構築を進めることとしています。
推進にあたっては、官民の連携体制の下で、データ・ガバナンスの構造設計、その際に必要となる要素やそれを実現する技術の抽出・課題検証、移行のためのロードマップの策定、具体的なユースケースに即した検証、必要な政策面での対応、国際的な発信等の具体化を進めていく必要性を示しています。
このため、これらを実行する官民の連携体制として、専門家・関係者から成る「Trusted Web推進協議会」(以下「協議会」という。)を設立し、検討を行っています。
本協議会では、令和2年度末を目途に、以下を行うこととしています。
・目指すべきビジョン
・トラストの概念整理
・データ・ガバナンスの構造設計
・その際に必要となる要素やそれを実現する技術の抽出・課題検証
・具体的なユースケースの抽出
・移行のためのロードマップの策定
・必要な政策面での対応の抽出
・これらをまとめたホワイトペーパーの策定
ポイントとなるのは目指すべきビジョンです。
今回示しているビジョンの案として、
ニューノーマル時代に求められる安全、安心、信頼を実現した人間中心主義コミュニケーションのデザインと基盤の(再)定義
としています。
"Trusted Web"の土台にあるのが、「DFFT(Data Free Flow with Trust」です。
出所:Trusted Web推進協議会 2020.10
ポイントなるのが、
社会システムとしてのTrustの設計
です。
オンラインのみでのコミュニケーションに対応し、広義の「コミュニケーション」(トランザクション/やりとり)を極限まで円滑化し、社会システムとしてどのように最適化していくか
とあるように、個別最適よりも全体最適に向けた社会システムをどうしていくか、というのがポイントとなるでしょう。
出所:Trusted Web推進協議会 2020.10