オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

自治体の業務システムの統一・標準化の加速策について

»

政府のIT総合戦略本部は2020年9月25日、「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第3回)」を開催しました。

本ワーキンググループでは、自治体の業務システムの統一・標準化の加速策についても検討を行っていますので、その内容をとりあげたいと思います。

現在、住民記録、地方税、福祉など、自治体の主要な業務を処理する情報システム(基幹系情報システム)の標準仕様を、関係府省で作成し、自治体が標準仕様に準拠したシステムを導入することを目指しています。

このプロセスを「法制化」するとともに、「目標時期を設定」することで、自治体の業務システムの統一・標準化を加速化する、としています。

法制化については、

骨太の方針2020に基づき、自治体の情報システムの標準化を実効的に推進するため、法制上の措置を講じた上で、国が財源面を含め主導的な支援を行う方針です。

具体的には、政令で定める基幹系情報システムについて、国が標準化のための基準(標準仕様から作成)を告示し、自治体に移行期間内に適合することを義務付けることを想定しています。

目標時期の設定では、

年末にとりまとめられる新たな工程表において目標時期を予め設定し、自治体が対応に向け準備を始められる環境をつくるとしています。

具体的には、「地方公共団体の情報システムについても、地方自治体の自主性を尊重しながら、システム基盤の統合を進め、全ての自治体で住民の利便性向上の観点から、共通的なサービスを提供できるような仕組みを今後5年間で実現していく」(令和2年7月15日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)

官民データ活用推進戦略会議合同会議)との方針を踏まえ、2025年度までに標準化のための基準に適合したシステム(標準準拠システム)への移行を目指すことを検討しています。

加速化を実現するためには、目標時期の特例と【国による財政支援が必要としてます。

目標時期の特例では、

標準化の対象事務や自治体ごとに情報システムの実情が多様であるため、自治体の意見を丁寧に聴くことが重要であり、真にやむを得ない場合において、目標時期の特例を認める仕組みを法制上設ける必要があるとしています。

国による財政支援では、

システム更新時期の前倒し等に対する契約変更や事業者への業務集中により、自治体において移行のための経費が増嵩していくことが見込まれることによる追加的負担の影響も考慮し、国が財源面を含め主導的な支援を行う点もあげています。

自治体における標準準拠システムへの移⾏までの工程は

① 標準仕様作成(関係府省)
② 標準準拠システム開発(事業者)
③ 標準準拠システム移行(自治体)

でそれぞれ工程表を整理しています。

スクリーンショット 2020-09-26 130739.jpg

出所:内閣府 マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ(第3回) 2020.9

Comment(0)