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宇宙における衛星データの利用拡大に向けて

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内閣府は2020年6月30日、「宇宙基本計画」を閣議決定しました。

この中から、宇宙を推進力とする経済成長とイノベーションの実現の衛星データ活用を中心にとりあげたいと思います。

ⅰ 衛星データの利用拡大衛星データ利用の原則化、準天頂衛星を活用したG空間プロジェクトの推進。
ⅱ 政府衛星データのオープン&フリー化
ⅲ 政府衛星データプラットフォーム民間活力を最大限活用し「Tellus」の機能向上

基本的考え方

Society5.0 の到来や宇宙新興国の増加、宇宙活動の広がり等を背景として、宇宙システムを強化し、利用を拡大していくことに加え、更にこれを推進力としてイン本の経済成長とイノベーションを実現できるよう、必要な施策を推進していくとしています。

i. 衛星データ(衛星リモートセンシング・測位)の利用拡大

政府や自治体の業務の効率化や高度化に向けた衛星の適切な活用を民間に率先して進めるため、関係府省から構成される衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース(仮称)を創設し、行政における衛星リモートセンシングデータ利用の実態や課題、推進方策の共有等を図る。
関係府省は、それぞれの業務について、衛星リモートセンシングデータの利用の可能性を検討し、合理的な場合には、これを利用することを原則とするとともに、利用分野に応じた衛星リモートセンシングデータへの要求仕様を明確化する。
あわせて、衛星リモートセンシングデータの活用を加速するための実証事業を充実させ、社会実装につなげる。具体的には、関係府省の協働による実証テーマ設定、自治体との協働の強化や複数自治体参画による横展開モデル作り、費用対効果の検証、利用現場における人材育成等に取り組む。(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省)

衛星リモートセンシング・測位データを含む地理空間情報は、第四次産業革命を支える鍵であり、地理空間情報活用推進基本計画におけるシンボルプロジェクトを始め、防災、交通・物流、生活環境、地方創生、海外展開といった幅広い分野における事業を推進するとともに、G 空間情報センターの積極的な活用を進め、「地理空間情報高度利用社会(G 空間社会)」の実現を図る。特に、防災分野については、地理空間情報を高度に活用した防災・減災に資する技術を活かした取組を関係府省間で有機的に連携させる統合型 G 空間防災・減災システムの構築を推進する。(内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省等)

準天頂衛星システムについては、関係府省や民間企業等で構成される「準天頂衛星システム利活用促進タスクフォース」を活用し、官民における測位データ利用の課題、推進方策の共有等を図るとともに、自動運転を含め、農業、交通・物流、建設等国民生活や経済活動の様々な分野における実証事業に取り組み、先進的な利用モデルの創出を通じて社会実装を更に加速していく。また、海外の技術動向や国内外のニーズを踏まえつつ、精度・信頼性の向上や抗たん性の強化等の測位技術の高度化を戦略的かつ継続的に進めていく。(内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省等)

準天頂衛星「みちびき」等の衛星測位技術を活用した自動走行技術や、衛星画像による作物・農地のセンシング、政府衛星データプラットフォーム「Tellus」と農業データ連携基盤「WAGRI」の連携を検討し、民間サービスの拡大等による生産性の高いスマート農業の現場実装を加速化する。(農林水産省等)

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出所:宇宙基本計画 2020.6

ii. 政府衛星データのオープン&フリー化

政府衛星データには、大規模自然災害、エネルギー、気候変動等の地球規模課題の解決への貢献が期待されるなど、一般に広く利用が期待できる公共性の高いデータが多く存在する。これらの公共性の高い政府衛星データについて、多様な分野における衛星データ利活用の促進及び衛星データ利用
者の利便性の観点から、安全保障上懸念のあるデータを除き、国際的に同等の水準で、加工・解析等の利用が容易な形式でデータを無償提供する「オープン&フリー化」を以下の通り確立する。その際、民間事業者等の行う衛星データ販売事業を阻害しないように留意する。

今後計画する政府衛星については、必要な処理を行った公共性の高いデータが提供されるよう、開発段階から衛星所有政府機関が衛星計画を立案する。既に開発着手済み又は運用中の政府衛星については、公共性の高いデータについて、衛星所有政府機関が可能な限り必要な処理を行ったデータ
を提供する。(内閣府、文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省等)

iii. 政府衛星データプラットフォーム

衛星データの安定的かつ恒久的な提供を可能とするため、政府衛星データプラットフォーム「Tellus」について、民間活力も最大限利用しつつ、2020 年度以降も衛星データを含む多様なデータの拡充、他分野のプラットフォームとの連携、解析ツールの拡充等の機能向上を進める。
政府・公的機関による Tellus の積極的な活用等を通じた衛星データの利活用(アンカーテナンシー)の推進や、海外の衛星データプラットフォームとの連携を通じた衛星データの国際共有を進め、衛星データを活用した新たなビジネスを創出する民間事業者の取組を後押しする。(経済産業省等)

衛星データの活用に関する今後の取り組みは以下のとおりです。

今後の主な取組

 防災、交通・物流、生活環境、地方創生、海外展開といった幅広い分野において、地理空間情報を活用した事業を推進するとともに、G空間情報センターの積極的な活用を進める。特に、防災分野については、地理空間情報を高度に活用した防
災・減災に資する技術を活かした取組を関係府省間で有機的に連携させるG空間防災・減災システムの構築を推進する。

 「準天頂衛星システム利活用促進タスクフォース」を継続して開催し、官民における測位データ利用の課題、推進方策の共有等を図る。

 自動運転を含め、農業、交通・物流、建設等国民生活や経済活動の様々な分野における実証事業を実施し、準天頂衛星システムの先進的な利用モデルを創出する。これまでの成果の社会実装に向けた環境整備を行い、利用拡大を図る。

 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期の『自動運転(システムとサービスの拡張)』において衛星データ利用に関し、社会実装に向けて技術開発や実証を実施する。

 民間企業による準天頂衛星等の衛星データを活用した新事業の実証事業や、準天頂衛星対応ドローンの研究開発等を通じて、準天頂衛星の社会実装や生産性の向上に取り組む。

 アジア太平洋地域において、産業分野における準天頂衛星の利活用に関する実証を行う。

 農業分野における実証事業を実施し、準天頂衛星システム等衛星データを利用した生産性の高いスマート農業の先進的な取組モデルを創出する。

 電子基準点等と整合する座標(国家座標)に基づいた、衛星測位による高精度な位置情報が利用可能な共通基盤の社会実装を加速するため、2021年度までに、民間GNSS観測点の活用制度及び地殻変動補正システムの運用を本格化する。

 アジア太平洋地域において、電子基準点網の構築に向けた協力を推進する。

 海外の技術動向や国内外のニーズを踏まえつつ、精度・信頼性の向上や抗たん性の強化等の測位技術の高度化を、戦略的かつ継続的に進めていく(再掲)。

 準天頂衛星7機体制による安定した測位補強サービスを2025年度から開始し悪天時の着陸機会の増加を図るべく、高精度な航空用の衛星航法システム(SBAS)の整備を進める。

 政府や⾃治体の業務の効率化や⾼度化に向けた衛星の適切な活⽤を⺠間に率先して進めるため、関係府省から構成される衛星リモートセンシングデータ利⽤タスクフォース(仮称)を創設し、⾏政における衛星データ利⽤の実態や課題、推進⽅策の共有等を図る。関係府省は、それぞれの業務について、衛星リモートセンシングデータの利⽤の可能性を検討し、合理的な場合には、これを利⽤することを原則とするとともに、利⽤分野に応じた衛星リモートセンシングデータへの要求仕様を明確化する。

 衛星リモートセンシングデータの活⽤を加速するための実証事業を充実させ、社会実装につなげる。関係府省の協働による実証テーマ設定、⾃治体との協働の強化や複数⾃治体参画による横展開モデル作り、費⽤対効果の検証、利⽤現場における
⼈材育成等に取り組む。

 自治体での衛星データ利活用事例について調査を行い、関心を持つ自治体が参照できるよう調査結果の公表を行う。

 公共性の高い政府衛星データについて、⺠間事業者等の⾏う衛星データ販売事業を阻害しないように留意しつつ、安全保障上懸念のあるデータを除き、国際的に同等の水準で、加工・解析等の利用が容易な形式でデータを無償提供する「オープン&フリー化」を確立する。

 政府衛星データプラットフォーム「Tellus」について、2020年度までの開発・運用の成果と課題を基に今後の在り方について整理する。これを踏まえ、2021年度以降、民間活力も最大限利用しつつ、衛星データを安定的かつ恒久的に提供するため、政府・公的機関がTellusを積極的に活用すること等を通じ、衛星データの利活用促進を進める。また、海外の衛星データプラットフォームとの連携を通じた衛星データの国際共有を進める。

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