日本の人事部門、人材戦略と経営戦略に紐付けが一番の課題
経済産業省は2020年2月16日、「第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」を開催しました。
この中から人材戦略と経営戦略に焦点をあてて紹介をしたいと思います。
第1回では、大前提として、人材戦略に求められる視点として、経営戦略との関連性が議論されています。
• 戦略遂行を担保する組織能力の確保、戦略から人材要件を見いだした上での適所適材
• 調達のタイムラグを踏まえた人材充足・育成、適時適量
• 従業員エンゲージメント
• Diversity&Inclusion
• 囲い込み・依存ではなく、お互いに選び合うような組織文化・風土・ビヘイビアへの転換
特に、人材戦略と経営戦略に紐づけが一番の課題となっています。 人材マネジメントの課題として、「人材戦略と経営戦略が紐づいていない」という回答をした人が一番多く、3割を超える状況となっています。
出所:経済産業省 第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 2020.2
人事部門による経営戦略への関与をみると、半数以上の企業は、人事部門が経営戦略の意思決定に関与できていないという結果となっています。
出所:経済産業省 第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 2020.2
また、経営戦略の実現に必要な人材の確保状況をみると、3割の企業が、経営戦略の実現に必要な人材を、採用・配置・育成出来ていない。どちらかというと出来ていない企業も含めれば、3分の2の企業が、経営戦略の実現に
必要な人材を確保できていないという状況となっています。
出所:経済産業省 第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 2020.2
専門人材の処遇では、社外から採用したデジタル専門人材に対して、6割強の企業が一般社員と同じ賃金制度を適用しています。
出所:経済産業省 第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 2020.2
日本の従業員エンゲージメントも低いという結果となっています。米ギャラップ社の調査(2017年発表)によると、日本は熱意あふれる社員の割合が6%で、調査対象139カ国中132位という結果となっています。
出所:経済産業省 第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 2020.2