自社の将来がかかる「デジタル・ビジネス・イニシアティブが」進んでいない日本企業、非常に大きな問題は『忖度』
調査会社のガートナー ジャパンは2019年6月20日、デジタル・ビジネス・イニシアティブにおけるサーベイ結果を発表しました。
ガートナー、日本企業はデジタル・ビジネス・イニシアティブにおいて 世界の企業に後れを取っているとのサーベイ結果を発表
調査結果では、日本企業はデジタル・ビジネス・イニシアティブにおいて 世界の企業に後れを取っているとの結果となっています。
では、なぜ、日本企業はデジタル・ビジネス・イニシアティブが進んでいないのでしょうか?
世界の企業は、デジタル・ビジネスへの取り組みの「開始」段階から「拡大」段階へと移行しつつありますが、日本企業の4分の3以上は、デジタル化のプロセスに着手する「開始」段階を完了していないという状況となっています。日本企業は、世界の企業の動きに追随できておらず、デジタル・ビジネスへの取り組みにおいて、世界との差が拡大している点を指摘しています。
日本企業のCIOが世界の企業に後れを取っている主な要因は、
・変化に対するリーダーシップ/計画/実行力が弱い
・IT/ビジネス・リソースの人数が不十分
の2点が主な要因としています。
また、日本の回答者の30%は、
レガシー・システムの保守で身動きが取れておらず、デジタル・ビジネスへの変化に着手することに注力していない
と回答しています。
日本の企業は「IT/ビジネス・リソースの人数が不十分」が67%に達していますが、世界の先進企業では38%であり、日本の数値がかなり高いという結果となっています。
CIOとして目標を達成する上での障壁において、特に世界のCIOと比較して顕著な差が表れたのは、
レガシー・システムの保守
です。
組織文化に関する障壁では、
・チェンジ・リーダーシップ/計画/実行力が弱い
と回答する割合が32%と高く、世界のCIOと比べてデジタル・ビジネスへの移行を適切に進める上で求められるチェンジ・リーダーシップの欠如に直面していることが浮き彫りになっています。
そのほかにも
・IT部門とビジネス部門間の関係が効果的でない
・組織全体でイノベーションが進んでいない
の項目を障壁として回答した日本企業のCIOの割合は、先進企業のみならず世界の平均的企業と比較しても高くなっています。
ガートナージャパンでは、
デジタル時代においては、世界は常に変化しており、不確実性とディスラプション (破壊) がもたらされます。こうした状況において企業は、従来のような確固とした案件に対するテクノロジへの投資から、ある種新たな分野に向けた『賭け』のような戦略的投資へとシフトすることが求められます。それには、新たなマインドセットが必要となります。秩序、慣習、同調を重んじる日本企業の組織文化は、時として大きな文化的な障壁となります。特に日本の文化においては、『忖度』が非常に大きな問題となっています。日本企業は過去のしがらみ、しきたり、そしてリスク回避型の姿勢を、今一度見直すべきです
とコメントしています。