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5つのデジタル・プロダクト・マネジメント能力とは何か

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米調査会社のガートナーは2019年6月6日、サンディエゴで開催された「Gartner Tech Growth & Innovation Summit」において、テクノロジ/サービス・プロバイダーのトレンドを発表しました。

ガートナー、デジタル・プロダクト・マネジメントを採用しないプロバイダーは、今後2年以内に破壊のリスクにさらされるとの見解を発表

ガートナーは、デジタル・プロダクト・マネジメントを採用しないテクノロジ/サービス・プロバイダーについて、今後2年以内にディスラプション (破壊) の大きなリスクにさらされる可能性が高いという見解を発表しています。

新たなコンピテンシとしてデジタル・プロダクト・マネジメントを採用することは避けられず、デジタル・プロダクト・マネジメントを導入し、これに投資する組織は、市場のシフトやディスラプションに対応していくことの必要性を示しています。

デジタル・プロダクト・マネジメントは、従来のプロダクト・マネージャーの業務範囲を拡大した新しい領域で、さまざまな設計原則と定量的なインサイトを利用して、プロダクトのビジョンおよび方向性、トレードオフに関する決定、差別化をもたらすカスタマー・エクスペリエンスについての情報をもたらすものとしています。

ガートナーでは、IT組織の80%は2024年までに、プロダクト中心のオペレーティング・モデルを採用した結果、ミッションの大幅な変更を余儀なくされると予測しており、これからのプロダクト・マネージャーのあり方について方向感を示しています。

ガートナーでは、ビジネスモデルの変革とプロダクトの成功を促す上で、下記の5つのデジタル・プロダクト・マネジメント能力が必要になるとしています。

・データに基づいて意思決定を下す
・カスタマー・エクスペリエンスを念頭に置き、プロダクトやサービスを設計する
・デジタル・テクノロジがもたらすあらゆる機会を生かして、プロダクトやサービスを差別化する
・既存のプロダクト・マネジメントのアプローチに、技術面およびビジネス面でのディスラプションの影響を組み込む
・革新的なデジタル・チャネルを通じて、プロダクトやサービスを提供する

2023年までに、デジタル・プロダクト・マネジメントを採用し、これら5つの重要な能力を備えていることを自認するプロダクト・マネジメント・チームの割合は、2019年の2%未満から35%に増加すると予測しています。


ガートナーのアナリストでシニア ディレクターの桂島 航氏は

テクノロジ/サービス・プロバイダーのビジネスは、クラウドやAI (人工知能) などのデジタル・テクノロジにより、破壊的な変化の時期を迎えています。この淘汰の時代を勝ち抜くためには、デジタル・テクノロジを生かしたプロダクトとユーザー・エクスペリエンスを創出する新しい仕組みが必要であり、それを実現するための方法論が『デジタル・プロダクト・マネジメント』になります。プロダクト・マネジメントの導入が概して遅れている日本のテクノロジ/サービス・プロバイダーは、デジタル化に即した新しいプロダクト・マネジメントの概念を速やかに理解し、グローバル企業に対する競争力を向上させる手段として活用すべきです。

と述べています。

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