人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップの検討状況(中間まとめ案)
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2017年1月16日、「人工知能技術戦略会議(第4回)」を開催し、人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップの検討状況(中間まとめ案)を公表しています。
フェーズによるAIの発展段階の整理では、
フェーズ1:各領域においてデータ駆動型のAI利活用が進む
フェーズ2:個別の領域の枠を越えて、AI、データの一般利用が進む
フェーズ3:各領域が複合的につながり合いエコシステムが構築される
の3つの発展段階があり、フェーズ3では、各領域が複合的につながり合って融合化することにより、エコシステムが構築されるとしています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16
データxAI技術xプラットフォームの大局観では、フェースごとに、活用の広がり、データ収集、情報処理などの展開を示しています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16
人工知能の研究開発目標と産業化のイメージでは、社会課題と技術進歩の視点でフェーズ3までの展開しています。フェーズ3では、人の創造力を増幅し既成概念を超えたサービス・製品が次々生み出される社会の構築や、サイバー空間とフィジカル空間が融合して移動そのものが高付加価値化して移動機器の自動バージョンアップなど周辺産業が発展するイメージなどを掲載しています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16
AIの発展段階へのマッピング - 人工知能の産業化のロードマップ【生産性分野】では、
生産システムの自動・最適化、サービス産業の効率化・最適化、物・サービスへのニーズとのマッチングによりハイパーカスタマイゼーションを実現することにより、ものづくり・流通・サービスの融合が進み、エネルギー・食料なども含めた社会全体としての生産性を高めた究極のエコシステムを構築する。人が創造力を増幅することにより、次々と新しいサービス・製品が生み出される社会を構築する。
としています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16
AIの発展段階へのマッピング - 人工知能の産業化のロードマップ【健康/医療・介護分野】では、
・世界で最初に急激な高齢化社会を迎えている日本において、医療・介護の膨大な情報をビッグデータ化し、AIを使って世界一の医療技術先進国・介護技術先進国を構築する。
・予防医療の高度化により、病気にならないヘルスケアを実現する健康長寿産業大国を構築する。2030年には人口の40%以上が高齢者となる中で、80歳でも就業を希望する高齢者が元気に働いている社会を実現する。これにより、個人としての満足度を上げるだけでなく、社会保障費の軽減を図ると同時に労働人口の減少という課題への対応の方策ともなる。
としています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16
AIの発展段階へのマッピング - 人工知能の産業化のロードマップ【空間の移動分野】では、
・人の移動時間・移動空間を、「移動」そのものではなく、その他の「作業」、「生活」、「娯楽」を行う時間・空間にする。
・全ての人に自由で安全な空間の移動を確保する社会を構築する。人・物の移動にかかる移動手段のシェアリングエコノミーを構築することにより、移動のエコ社会を実現する。これらにより、人的要因による事故を減らし、「移動」に伴う社会コストを最小化する。
・移動の高付加価値化、無人輸送配送、バーチャル移動も完成し、移動そのものに価値が生まれる社会を実現する。
としています。
出所:人工知能技術戦略会議(第4回) 2017.1.16