オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

IoTの先にあるのは、"Everything as a Service" の世界?

»

先日、八子クラウド座談会@関西に参加し、IoTについて各社からのお話や、パネルディスカッション、ワークショップなどに参加し、いろんな形でお話をお伺いすることができました。その経験を踏まえながら、自分なりに、IoTのイメージを整理してみたいと考えています。

まず、方向感としては、IoTの先にあるのは、"Everything as a Service"の世界であるということを感じました。

あらゆるモノやコトがインターネットでつながりデータを収集し、収集されたデータを活用・分析し、イノベーションを起こす。というストーリーは何度も聞いてきましたが、講演者の方からは、

「IoTはイノベーションを起こさない」

という指摘は、自分自身には刺さりました。

IoTは、産業機器やスマートメータなどに接続し、故障通知や電力費の削減など、どちらかというとイノベーションを生み出すというよりも、業務改善的な事例が多いという印象を持っていました。

おそらく、IoTの先にあるのは、あらゆるモノやコトがサービス化される世界、つまり、"Everything as a Service"のサービスモデルが、市場に浸透していくのではないかということを感じました。

たとえば、 IHS Automotiveの記事「 Google Leads Technology, Testing, Software Development for Autonomous Driving 」では、グーグルが自動運転車の分野では世界をリードしているという評価をしており、グーグルの取り組みは、「CaaS(Car-as-a-service:サービスとしての自動車)」への展開が進み、2025年には、自動運転車がUber Technologiesが提供する配車サービスなどとも連携し、CaaSが始まり、料金の低価格が進むと予測しています。

つまり、IoTの進展により、あらゆるモノやコトがネットワークを通じて、適正に配置されるようになり、シェアリング・エコノミーが生まれやすい世界になるということだと考えられます。

最近では、Airbnb」のように空いている家や部屋を持つ家主が、有料で旅行客などに提供するサービスや、コワーキングスペースのように仕事場をシェアするサービス、「akippa」のように都心や観光地などの一般家庭の駐車スペースを貸し出すサービスが大きく成長しています。つまり、これらは、特にあらゆるコトがネットワークにつながることで、サービス提供を実現しています。

今後、「Robot as a Service」、「Drone as a Service」など、ロボットやドローンの領域においても、ネットワークとつながることで、適正な配置と、機械学習によるサービス向上などにより、サービス化が進んでいくことになるかもしれません。極端な話になれば、電球がネットワークにつながり、「電球 as a Service」というサービスで、電球が切れるのを予測検知し、自動的に代替品が届くといったサービスも重宝されるようになるかもしれません。電球だけでなく、ビールや牛乳、トイレットペーパー、米などもサービス化されるかもしれません。

そのほか、ヤンマーが進めようとしている自動運転走行トラクターの時間貸し提供などが進めば、農業のプロフェッショナル化が進むとともに、あまり農業経験のない人でも、ハードルは低くなっていくことが予想されます。農業や医療、教育など、あらゆる分野でもこういったサービス化が進んでいくかもしれません。

これらのあらゆるモノやコトのサービス化の動きが、イノベーションということであれば、イノベーションなのかもしれませんが、イノベーションというキーワードを安易に使うよりも、"Everything as a Service"によるサービス化の進展ととらえたほうが、自分自身としては、現時点では、しっくりするのではと感じているところです。

network-782707_640.png

Comment(0)