国内のパブリッククラウド市場の成長性と収益性
調査会社のIDC Japanは2014年4月21日、国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表しました。IDCでは、2013年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は前年比37.4%増の1,302億円で、今後も拡大を続け、2018年には、2013年比3.0倍の3,850億円になると予測しています。
出所:IDC Japan 国内パブリッククラウドサービス市場予測 2014.4.21
市場成長の背景には、一般消費者向けWebアプリケーションといった領域だけでなく、企業のIT導入時などの既存の既存ワークロードのクラウド化を促すソリューションにも導入が進み、クラウドの導入を第一の選択肢として検討する「クラウドファースト」元年と位置づけ、ハイブリッドクラウドが普及すると予想しています。
クラウド市場の成長に伴い売上の拡大は重要でありつつも、持続的な成長のためには、収益モデルの見直しが必要であると指摘しています。
一方で、昨日の「クラウドサービス(IaaS)事業者の淘汰が進むのか?」で紹介したように、クラウド事業者の淘汰が進むと予想されており、市場が成長しつつも、クラウド事業者にとっては、価格競争が進む中で収益を確保できるモデルを確立していくことが重要となっています。
「 【第2回】クラウドが儲からないという真実」の記事では、
先行投資してムーブメントに乗ろうと意気込んでサービス事業を立ち上げたのはいいが、期待したほど収入が伸びず、黒字転換できないといったベンダーの失敗例は後を絶たないのが実態だ。クラウドサービスで儲かっているベンダーは一握りに過ぎない。
と、低利益率や顧客の囲い込みの困難性、資産増加/収益減少による財務影響などのリスクを指摘しています。
ここ数年は急速な市場成長と、事業者の淘汰の可能性と、業界の大きな変化が起きる流れになっていくと想定されその動向が注目されるところです。