政府が企業に60歳以降も働き続けたい人の再雇用を義務づける方針の中、キャリアについて改めて考える
2012年4月22日の朝日新聞の記事「NTT、30代半ば以降の賃下げ計画 再雇用費に充当」がツイッターやフェイスブックなどで話題となっています。
入社から10~15年ごろまでは今の制度とほぼ変わらないが、それ以降は60歳の定年まで賃金の上がり具合を従来より抑える。30代半ばからの賃下げには「働き盛りには異例の措置で、転職を誘発するおそれがある」
多くの企業は、年金受給の開始年齢の70歳への移行に伴い、雇用を守るとともに、人件費の総額を抑えつつ、企業の競争力を高めるという難しいかじ取りを迫られています。
政府は来年度から、企業に60歳以降も働き続けたい人の再雇用を義務づける方針で、人件費の総額を抑えるために追随する動きが広がりそうだ。
今後、さらに少子高齢化が進み、産業の空洞帰化などで企業の業績が悪化することになれば、平均年齢の高い企業をはじめ、多くの業界で賃金抑制や採用抑制、リストラが進むと予想され、さらには、日本企業の競争力の低下が懸念されます。特に働き盛りの30代や40代の世代では、自分のキャリアや、ライフプランの再設計が必要となるケースも出てくるのかもしれません。
自分自身が70歳になり年金を受給するまでには、残り約30年。20年後、30年後、果たして今のように仕事ができているのか、満足のいく賃金を得ることができているのか、会社の業績はどうなっているのか、家族無事に暮らしていることができているのかなど、なかなか予想することが難しい状況です。
こういった状況の中、会社の業績や雇用調整、人事評価などに一喜一憂せず、中長期的に自分自身で切り開ける能力と複数の肩書きを身に着け、柔軟かつ大胆に取り組んでていくことが重要になっていくと考えています。
現在、国際大学GLOCOM客員研究員、社団法人クラウド利用促進機構 アドバイザー、ブロガーなど、複数の肩書きと視点を持ち、業界への貢献を意識した活動をするようにしています。こういった活動を続けながら、人脈形成と対外的なプレゼンスを高めておくことができれば、いざとなったときに、その活動の評価が力を発揮すると考えています。
製造業など大手企業の多くが苦戦を強いられる中、必ずしも大手企業に勤めていることが安泰であるわけではありません。長年の積み重ねた専門分野も陳腐化してしまうこともあるでしょう。将来のリスクに備え、自分自身に力をつけ、社内だけでなく社外からの評価を得ておくことが、自分自身のキャリアを切り開く近道であると考えています。
幸いにも、ブログやツイッターやフェイスブックなど、社外に向けて情報を発信し、評価を得る機会に非常に恵まれている時代です。会社での業務に真剣に取り組むことはもちろんですが、平行して中長期的な目線を持ち、会社以外でも通用する自分自身のキャリアを高めていくことが、益々重要になってきていると改めて感じているところです。
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※担当キュレーター「わんとぴ」
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