震災とソーシャルメディアへの評価(災害時における情報通信の在り方に関する調査結果から)
総務省は2012年3月7日、「災害時における情報通信の在り方に関する調査結果」を公表しました。東日本大震災の発生時から4月末頃までにおける被災者の方々の情報行動やICTの活用状況について調査を実施しています。
今回は、震災におけるソーシャルメディアの評価を中心にまとめてみたいと思います。
震災時に利用したメディアの評価
震災発生時は即時性の高いラジオが評価され、震災直後には安否確認等を行うため携帯電話・メールと、映像を伴う地上テレビが評価されています。その後は、地域性の高い情報を収集可能なインターネットの評価が高まっています。
情報収集手段の変化
発災直後や津波情報の収集では、ラジオ、テレビ、防災無線等の放送型の手段の利用率が高くなっています。
また、避難後の生活情報の収集では、インターネットや口コミなど、収集情報をユーザ自らが選択でき、地域の情報を収集、発信することが可能なツールの利用が増えています。
Twitterにより即時性、地域性の高い情報収集を実現した事例も存在しますが、被災地でのインターネット上の新しいサービスの利用は全体として限定的となっています。
インターネット先進ユーザの情報収集手段の変化
先進ユーザは、災害発生時よりインターネットメディアの利用率が高いが、避難後の利用率の向上は特に顕著となっています。Twitterの利用は震災発生直後の5%から非難後の生活情報では20%を超える結果となっています。
発災直後の情報収集手段と評価
発災時に利用した情報収集手段のうち、最も役に立った手段は、ラジオとテレビという回答が20%程度と特に高く、インターネットが9.3%と続いています。インターネットの内訳を見ると、それぞれの回答は5%未満と限定的ではあるものの、その中ではTwitterに対する評価が高くなっています。
被災地現場では、ソーシャルメディアの利用率は低いものの、利用者にとっては最も役立った手段など、総じて高い評価となっています。ソーシャルメディアを採用する自治体が増え、利用者数も増えていく中で、ソーシャルメディアは評価される情報収集手段として、その位置と評価は高まっていくのかもしれません。
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※担当キュレーター「わんとぴ」
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