オープンソースクラウドの潮流とコミュニティの存在
AmaoznEC2やS3に代表されるようにパブリッククラウド市場においては、IaaS(Infrastructure as a Service)のレイヤが最も活況で大きな伸びを見せています。
IaaSレイヤのデファクト化と競争市場
パブリッククラウドの市場では、IaaSレイヤのOpenStackやCoudStackなど標準APIを具備したオープンソースクラウドが台頭してきており、グローバルマーケットにおけるデファクトスタンダード化が進んでいくことが可能性として考えられます。
IaaS市場は次第に装置産業となり、提供事業者にとっては、IaaSレイヤだけでは差別化が困難になると考えられます。今後IaaSレイヤではさらに、価格競争が厳しくなり、消耗戦が余儀なくされることが予想されます。
オープンソースへの注目度が高まるPaaSレイヤ
最近では、特に利用者がよりクラウドの環境(主に開発環境や運用環境)できるIaaS上のクラウド管理レイヤやPaaS(Platform-as-a-Service)レイヤへの注目度も高まってきています。
PaaSでは、2011年10月13日にオープンクラウドキャンパスにてPaaSを中心とした勉強会を企画させていただきましたが、MicrsoftのWindows Azureのみならず、CloudFoundryやOpenShiftなど、PaaSレイヤにおいてもオープンソースが台頭しつつあります。10月18日には、Cloud Foundryのソースコードを読む「第1回 CloudFoundry輪読会」が開催されるなど、エンジニアや開発者の間では、PaaSの開発フレームや言語などへのスキルを高めていこうという機運が高まっているという印象です。
クラウド時代のネットワークを支える「OpenFlow」
そして、最後にネットワークです。クラウド市場の成長に伴い、ネットワークのあり方にも関心度が高まっています。特に注目度が高いのが、オープンソースのネットワーク制御技術の「OpenFlow」 です。11月4日に開催される「オープンクラウドキャンパス ネットワーク研究会」では募集からわずか8時間で100名が満席となるなど、関心度の高さが伺えます。OpenFlowコントローラやOpenFlow対応スイッチなどが一部市場に登場しており、今後ビジネスでの現場でも利用事例も増えていくことが予想されます。
すべてのレイヤーでオープンソース化の流れが加速化する?
以上のように、パブリッククラウド市場では、すべてのレイヤにおいてオープンソースへの動きが活発化しています。これらの後押しをするのが、ユーザ会やコミュニティの存在です。
既にIaaSレイヤでは、OpenStackユーザ会やCloudStackユーザ会など、オンラインやオフランで活動が活発で、いずれ、PaaSレイヤでもその流れがシフトしていくと考えています。これらの開発者を中心としたコミュニティが今後のクラウドのオープンソース化の流れを大きく変えていく可能性があると私自身強く感じているところです。
※担当キュレーター「わんとぴ」
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