クラウドの時代に進化するネットワーク仮想化 ~注目集める「OpenFlow」
日経コミュニケーション2011.11の特集「Software Desined Network(SDN) ~進化するネットワーク仮想化」は読み応えがありました。
目次は、以下のとおりです。
- 仮想化環境で膨らむ課題を解決:オーバーレイネットでクラウドを自在に
- 「OpenFlowとOpenstack」Openflowでスイッチ間経路設定:上位の管理APIも開発スタート
- 「ネットワーク仮想化関連製品」マルチベンダーでも運用を自動化:より柔軟な仕組み目指すベンチャーも
- 「ハードウエアスイッチからのアプローチ」”ファブリック”がリソースを統合:分散型スイッチで自立制御を実現
- 「残された課題」仮想・物理の統合管理は今後開発:クラウド間のリソース”調停”も必要
クラウドコンピューティングの急速な進化により、ネットワーク側も柔軟かつ効率的に構築・運用ができる仮想化されたネットワークへの注目度が高まっています。
その鍵となるのが、ネットワークの集中制御を可能にする「OpenFlow」です。
OpenFlowとは、日経コミュニケーションの解説によると、
2008年にスタンフォード大学などを中心に設立された「OpenFlowコンソーシアム」が提唱した経路制御技術。スイッチから経路制御機能を分離し、OpenFlowコントローラーで集中的に経路を制御する。(中略)制御を集中させることで、スイッチの設定変更などの運用作業を自動化できる。
です。
ネットワークの設定には、コンフィグレーションでネットワーク機器を制御するのが一般的ですが、「OpenFlowコントローラー(ネットワークコントローラー)」などによって、ソフトウエアからの指示だけでネットワークを構成でき、かつ、一元的な制御や設定が可能となります。
一方、仮想ネットワーク上にクラウドを構成するための「クラウドコントローラー」への関心も高まっており、その代表的なものがIaaS機能を提供するオープンソース運用基盤の「OpenStack」です。
上記二つのコントローラーを組み合わせることで、スイッチを論理的につなぎ仮想ネットワークを構成することができるようになります。
OpenFlowをテーマにした11月4日に開催される「第2回オープンクラウドキャンパス クラウドネットワーク研究会」は、応募からわずか8時間で100名が満席となるなど、OpenFlow関連の勉強会やセミナーは多くの参加者を集めています。
クラウドコンピューティングの進化は、これまではAmazon Web Seriviceが提供するEC2やS3などに代表されるIaaSが中心となっていました。最近では、オープンソースのCloudFoundryやOpenShiftなどに代表されるPaaSレイヤー、そしてネットワークレイヤーのOpenFlowの進化によって、クラウドレイヤーにおいて新たな枠組みが広がっています。これらの潮流は、新たなサービスとビジネスチャンスが創造される契機といえるのかもしれません。
※担当キュレーター「わんとぴ」
@cloud_1topi(クラウド) @ict_1topi(情報通信政策) @ebook_1topi(電子書籍)
@mobile_1topi(モバイル) @smarttv_1topi(スマートテレビ)
@localict_1tp(地域活性化)@smartcity_1tp(スマートシティ)