「クラウド」に鍛えられ育てられた3年間
私がクラウドの書籍を書き始めたのは、ちょうど3年前の2008年9月からでした。
当時は、社内外でクラウドの話をしても、理解をされることは少なく、肩身の狭い思いをしていました。当時、外資系企業では、一部積極的にクラウドというキーワードを使っていましたが、日系企業においてはほぼ皆無の状況で、情報収集にも苦労したことを覚えています。
当時は、クラウドに関する参考文献も事例も多くはなく、試行錯誤しながら、翌年の2009年2月、関係者の方々の支援を頂きながら、なんとか発刊にこぎつけることができました。国内でのクラウド関連書籍の中では、かなり早い時期でした。
2009年の5月、6月の決算発表の時期から、日系企業もクラウドのキーワードを経営幹部が使うようになり、一気にクラウドは注目を浴びるようになりました。
その後は、本当に多くのクラウド関連の講演や執筆や取材等を頂き、幸運にもクラウドの有識者の一人として評価をいただく機会も増えてきました。
一方、この3年間は、自分自身、プレッシャーと日々格闘してきた時期でもありました。クラウドという定義は非常に広く、依頼をいただくテーマや求められるレベルも多岐に渡りました。特に超大手企業の研修で、1,000人以上を前に(遠隔講義含む)時の講演や、1時間のCS放送に出演させていただいた時は、プレッシャーで押しつぶされそうなこともありました。
これまで、自分自身が、講演、執筆、取材、業務などで携わったクラウドに関するテーマを思いつくままに列挙します。
- クラウドと企業経営
- クラウドと中小企業
- クラウドとITコーディネータ
- クラウドとエンタープライズモデル
- クラウド入門編
- クラウドと市場成長予測
- クラウドビジネス概観
- クラウドと事業者サービス
- クラウドと震災復興
- クラウドと標準化
- クラウドと定義
- クラウドと法制度(規制緩和・条例など)
- クラウドとIaaS・PaaS
- クラウドと研究開発
- クラウドと国際競争力
- クラウドとコンテンツ(映像)産業
- クラウドとエレクトロニクス産業
- クラウドと会計・税理
- クラウドとセキュリティ
- クラウドとネットワーク(NGN含む)
- クラウドとモバイル
- クラウドとデータセンター
- クラウドと特区
- クラウドと情報通信政策(IT戦略)
- クラウドと公共(教育・医療など)
- クラウドとソーシャルゲーム
- クラウドとサービス開発
- クラウドとスマートグリッド(スマートシティ)
- クラウドと電気自動車(EV)
- クラウドとオープンソース
- クラウドとマイグレーション
- クラウドとコミュニティ
- クラウドとソーシャルメディア
- クラウド関連セミナー・勉強会企画運営
- クラウド関連分科会事務局
などなど、です。
クラウドとはあまり関係なく得意としないテーマも多く、自分自身も事前に勉強やリサーチをしながら、参加者の目線とレベルにあわせながら準備をしてきました。クラウドそのものよりも業界や政策や技術動向などもリサーチする必要があり、プレゼンテーション能力も磨く必要がありました。クラウド関連をパネルディスカッションやモデレータとしての参加やイベント運営など、様々なノウハウも要求されました。企業の経営者、ITコーディネータ、情報システム担当者、開発者、政府関係者、サービス事業者など会話する方々の立場も多岐に渡り、その立場にたって話をすることの大切さを学びました。講演や原稿などの資料の多くはほぼ一人称でストーリーを考えて作成することで、プレゼンにかかわるスキルの全体の底上げをはかることもできました。
これまで、多くは経験をしてこなかったことを、この3年間という短い期間に非常に貴重な経験をすることができました。これもクラウドという曖昧なキーワードがゆえに、様々な経験や人脈を構築することができたと思います。本当にいろんな方々に支えられながら、クラウドに鍛えられ、育てられた3年間だったと思います。
まだまだ、クラウドをキーワードとして、活動していきたいことは山ほどあります。これからもクラウドは自分自身のひとつの柱として、活動をしていたいと考えています。
※担当キュレーター「わんとぴ」
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