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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウドデータセンター特需に沸くスーパーゼネコン

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公共投資が抑制傾向にある中で、大手ゼネコンが注力しているのがデータセンターです。日刊工業新聞(2010.12.8)の記事では、鹿島建設や大成建設などのスーパーゼネコンが、成長するクラウドコンピューティングの潮流でデータセンター特需に沸いている内容が紹介されています。

有望市場のデータセンター施工関連市場

クラウドの普及が進み、世界各地でデータセンターの建設が進んでいるものの、不足感が続いています。特に、近年においては、外資系クラウド事業者のアジア戦略が顕著になり、クラウドビジネスにおけるアジアハブの立地に向けた、競争が激化しています。一歩リードしているのが、シンガポールです。

日本のデータセンターに立地は、最近議論になっている法人税制が世界と比べても割高となっており、電力料金や人件費、そして土地代なども考えると、世界的に見ても割高感があり、日本に誘致するためのコスト競争力を高める必要があり、政策的にも規制緩和などの対応を進めていく必要があります。

本記事の中では、データセンターの建設においては、高い技術や提案力が要求されるため、ゼネコン大手の寡占市場になっているという点が指摘されています。データセンターの施工関連市場は推定で2000億円規模を言われており、クラウドの市場成長の伸びや改修などで2015年までは有望市場というのがゼネコン各社のコンセンサスになっているとのことです。

データセンターの二極化が進む

データセンターの新設が進み、バブルの様相がある中で、都市型と郊外型の二極化が進んでいる点も指摘されています。特に日本の場合は、東京や大阪等の都心部のデータセンターに重要データを預けたいというニーズが高く、何かあったときに駆けつけられるロケーションも魅力となっています。コスト高でも、依然高い需要を維持しています。一方、今後の成長が期待されているのは、郊外型のデータセンターです。土地代も安く、電子力発電所の近くであれば、電源立地の優遇措置などもあり、都心部と比べるとかなり安価にデータセンターを新設をすることができます。今後は、都心部への需要と投資回収の状況を見ながら、郊外型への建設の流れが進むと個人的には予測しています。

本記事の中では、各スーパーゼネコンの取り組みが紹介されています。

大成建設

さくらインターネットが、北海道の石狩市に建設する国内最大級の郊外型大規模データセンターの「石狩データセンター(仮称)」です。外気冷房の利用や建物を分棟式が主な特徴です。2011年秋に竣工、同年冬に運用開始予定となっています。本データセンターの設計施工を担当するのが大成建設です。

最終8棟(計4000ラック)建設時の全体図

(出所:さくらインターネット 石狩データセンター(仮称)ホームページ)

また、大成建設のユニットを縦積みにした次世代型データセンタの「ネスト・クラウド」のコンセプトは個人的には注目しています。

ネスト・クラウド

(出所 大成建設 ネスト・クラウド ホームページ)

竹中工務店

日刊工業新聞(2010.8.4)の記事によると、竹中工務店は、ベンチャー企業(VB)と電力会社、通信事業者、自治体などに対し、データセンター(DC)を運営する共同事業体(コンソーシアム)や特別目的会社(SPC)設立の提案を始めたという記事が紹介されています。

また、竹中工務店は11月18日には、「郊外型クラウド対応データセンター」を開発したことを発表しました。下の図を参照いただければと思いますが、敷地中央部分が空調・電源設備を備えた中央管理棟、そして、サーバー保有台数に応じて増築可能なサーバー棟で構成されています。

参考画像

(出所 竹中工務店 報道発表資料

竹中工務店の「クラウド時代の先のデータセンター」のホームページでは「自動倉庫型コンテナデータセンター」が紹介されています。

図:コンテナデータセンター

(出所 竹中工務店 ホームページ

鹿島建設

本記事の中では、自治体の誘致に加え、米国企業のデータセンターを地方に誘致しようと動き出している点が紹介されています。12月には青森県の工業団地の視察を行っているようです。鹿島建設が、どの工業団地を視察されているのかは明記されていませんが、青森県では、青森県、六ヶ所村、新むつ小川原株式会社が、総合特区で「戦略的グリーンITパーク設立構想」の提案で六ヶ所村への誘致を積極的に推進しています。鹿島建設の強みとして、90年代に米市場において、他社を圧倒するデータセンター施工実績が紹介されています。

その他のスーパーゼネコン

大林組は30人規模のデータセンター専門チームを設置、清水建設は全国支店の体制整備が紹介されています。

参考(マイクロソフトのデータセンターの国内立地の検討について)

共同通信(2010.12.14)の記事によると、米マイクロソフト(MS)日本法人の樋口泰行社長は、

自社単独のデータセンター設置について「どんどん広がる技術なので、必要があれば考えたい」と述べ、経済合理性を考慮しながら米本社に提案する考えを示した。

と書かれており、マイクロソフトの今後の国内でのデータセンター立地が期待されます。

まとめ

日本の製造の空洞化が進み、公共事業も減少傾向にあるなかで、データセンター施工市場はゼネコンにとっては数少ない成長分野で今後、覇権争いが激化することが予想されます。外資系事業者も日本への設置を検討していると予想されており、誘致に向けた政策面での支援(特区創設や規制緩和など)や自治体の誘致活動など、様々な動きがさらに活発化していくことが予想されます。今後数年で、日本がアジアのクラウドハブになれるのか重要な岐路にきていると言えるでしょう。今後の日本市場のクラウド市場の成長には、スーパーゼネコンの役割も非常に重要な役割を担うのではないかと感じています。

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