ハイブリッドクラウド実現に向けたクラウド連携
クラウドコンピューティングが、今後進んでいけば、パブリッククラウドやプライベートクラウドなどを連携させるというハイブリッドクラウドが進んでいくといわれています。
ハイブリッドクラウドを実現する方法としては、例えば、アプリケーション連携、ID連携、データベース連携、API連携、ネットワーク連携、などがあげられます。また、PaaS(Platform as a Service)上で複数のアプリケーションを開発・運用し、連携がしやすい環境を整備しておくことも、選択肢としてあるでしょう。
ハイブリッドクラウドではクラウド連携のための環境構築だけでなく、クラウド間同士の運用管理も大きなポイントとなります。サービス監視、構成・変更管理、プロビジョニング、ワンビリングなどといったように、ハイブリッドクラウド全体を運用管理できる環境整備も対応が必要となるでしょう。
一方、クラウドサービスを先行して提供する事業者の一部では、クラウドが相互に連携する共通化や標準化には積極的ではなく、独自APIを公開して、顧客の囲い込みのために、独自のエコシステムを展開するケースがみられます。そこで、米国では、クラウドサービスを仲介する中立的なインテグレーターの存在が注目されつつあります。
米調査会社ガートナーは、2009年7月に「Gartner Says Cloud Consumers Need Brokerages to Unlock the Potential of Cloud Services」を公表し、「クラウドサービスブローカー」の3つの役割をあげています。一つ目は、Service Intermediation(クラウドサービスの仲介)、二つ目は、Aggregation(クラウドサービスの統合)、そして三つ目は、Cloud Service Arbitrage(クラウドサービスの調停)です。
その他にも標準化などの対応、そして、連携のためのコンサルティングなどもニーズも出てくるでしょう。
今後、クラウド連携が進んでいく中で、連携を支援するための様々なビジネスが登場してくるのではないかと期待されるところです。