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ソーシャルメディアと就活

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日本経済新聞(2010.11.1)に興味深い記事がありました。

ソフトバンクは2012年春の新卒採用からツイッターとユーストリームを使って学生に会社説明会などのイベント情報を流し、採用担当者が社内の出来事や社風をつぶやくことも検討しているとのことです。また、来年2月には孫正義社長による説明会もライブ配信するとのことです。

私が、就職活動(1995年度入社)の頃は、資料請求は300枚以上書き、履歴書も一枚一枚書き、採用担当から電話があるまでアパートでじっと待っているなどといったように、アナログ的な就職活動を送っていました。

今は、インターネットで簡単に登録や資料請求ができ、スマートフォンなどを活用し、外出先からも連絡や情報収集などを簡単にすることができます。さらには、ソーシャルメディアを駆使し、よりリアルな情報も収集することができます。私にはなかなか想像ができないのですが、私の就活の時代と比べるとかなり効率的な活動ができているのではないでしょうか。

日本経済新聞(2010.11.2)の一面には、トヨタ自動車がリクルーター制を復活させるという記事が掲載されていました。採用担当にとっては、インターネットという少ない採用コストで多くの応募者を集めることができるものの、志望動機があいまいな学生も多く、応募者の絞り込みが頭を悩ませるケースが企業が多いという点も指摘されています。リクルーター制の採用によって、よりアナログ的なコミュニケーションが再認識されつつあると考えることができるでしょう。

話は戻りますが、ソフトバンクが、ツイッターやユーストリームを活用するという点は、企業側の一方的な情報提供だけでなく、ツイッターでつぶやく学生を評価するという点にも主眼が置かれているのではないかと考えられます。学生が日頃どのようなことをつぶやいているか、チェックすることができれば、その人柄や何に興味をもっているのか、おおよそ把握できるかもしれません。つまり、学生の「人間性」をある程度見極めることができ、短い時間の面接やマニュアル化された履歴書だけでなく、ツイッターのつぶやき内容やフォロワー数で評価をするということも考えられるでしょう。

学生がツイッターを利用するにあたって、実名を使いあえてアカウントを採用担当者にPRすべきか、もしくは匿名にするかは判断がわかれるところでしょう。私自身、ソーシャルメディアを使って転職活動をするということはないのですが、よく転職関連の会社やヘッドハンティングの会社の方にフォローされることもあります。実名でつぶやいているが故に、フォローされやすいと考えることもできるでしょう。

就職活動は例年になく厳しい状況におかれています。あまり、就職活動の状況はウオッチをしているわけではありませんが、流れ的には、より質の高い学生を採用するために、アナログ的なコミュニケーションやソーシャルメディアを通じて「人間性」を時間をかけて評価するという動きが出てきているような気がしています。

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